BMWが次世代見据えて仕込む最新技術の数々

年産200万台規模のメーカーが最先端を走る

もっとも、BMWが用いるバッテリーセル自体はサムスンSDI製で、BMWはこれを購入してバッテリーユニットとして完成させているに過ぎない。が、生産ラインの規模は想像していたよりもはるかに大きなもので、BMWの自動車電動化に対する本気度をうかがわせた。

プレゼンテーションの3本目は次世代モジュールエンジンに関するもの。モジュラー化された3気筒 1.5リッター・エンジンと4気筒 2.0リッター・エンジンはBMWやミニの各モデルに続々と搭載されているが、彼らはいち早くそれぞれの次世代版の開発に着手しているという。その開発テーマはフリクションロスの低減や燃焼の最適化などが主体で、発表された内容自体に格段の目新しさはなかったものの、「エンジンのフルモデルチェンジ」をこれほど短期間で繰り返す自動車メーカーはBMW以外にない。

いくら電動化技術の普及が間近に迫っているとはいえ、世界的に見れば今後20〜30年はまだ内燃機関を積んだ自動車が大多数を占めると予想されるため、BMWのこうしたたゆまぬ努力は高く評価されていいだろう。ちなみに、次世代のモジュラー・エンジンも1気筒あたりの容積は約500ccとのことなので、3気筒=1.5リッター、4気筒=2.0リッターの基本原則は今後も継承されるようだ。

ランフラットにはもう拘りません!?

ニューモデルとしては7シリーズのプラグインハイブリッド版である740Le xDrive iPerformance、バッテリー容量を1.5倍にして航続距離を229kmから390kmへと拡大したi3、そして最高出力326psの直6 3.0リッター・エンジンを搭載した340i グランツーリスモに試乗した。

740Le xDrive iPerformanceは4気筒 2.0リッター・エンジンとは思えない力強い加速感、そして同じプラグインハイブリッド版でも「330e」とは比べものにならないほど良質な乗り心地を実現している点がとりわけ印象的だった。ちなみに、330eではリアアクスルの後方に積んでいた高圧バッテリーを740e(740Leも同様)ではリアアクスル前方に移して重量バランスを適正化したことが、乗り心地の悪化を防ぐうえで最大のポイントだったらしい。

いっぽう、新しいi3の乗り心地も、従来型とは比べものにならないほど快適だったが、これはサスペンションの設定がそもそも異なること(日本仕様のi3は機械式駐車場に対応するため車高の低いスポーツサスペンションを全車標準装備している)に原因があったようだ。また、340iの走りがパワフルだったのはもちろんのこと、長いホイールベースを生かした洗練された乗り心地とクラスを越えた静粛性の高さが印象に残った。

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