BMWが次世代見据えて仕込む最新技術の数々 年産200万台規模のメーカーが最先端を走る
「コネクテッド」とは、クルマと各種センターをインターネットで接続し、様々な情報を提供するサービスのひとつ。いま各プレミアムブランドが積極的に開発に取り組むホットな分野だ。BMWは日本でのサービス展開をいち早く2015年に開始したが、これは日本車メーカーに比べてて国内販売台数が少ない輸入車メーカーにとっては勇気ある決断だったと思う。
今回、彼らが発表したのは、ヨーロッパ圏内では2016年8月にスタートした新サービスで、車内での情報提供だけでなくiPhoneやアップル・ウォッチとも連携することでより使いやすく、シームレスなシステムを構築するというもの。
なるほど、カーナビを使って目的地近くの駐車場までは来たものの、そこから本来の目的地まで徒歩でどうやって移動すればいいのかわからなくなるという状況は、誰しもが経験したことがあるはず。こんなとき、BMWの新しいサービスを活用すれば、クルマを降りてからもiPhoneなどでスムーズに、シームレスに目的地まで案内してもらえる、という。
同じようなことを車載カーナビとスマホのマップ機能を組み合わせてすでに実現しているユーザーは少なくないだろうが、その場合、面倒なのはひとつの住所をカーナビとスマホの両方に入力しなければいけないこと。BMWの新サービスではカーナビに一発入力すればいい。とはいえ、それだけのためにクルマ主体のデータベースにわざわざ自分のスケジュールを入力するのもピンとこない。
というのも、この手の技術はスマホのほうが車載ナビなどクルマ主体のシステムより格段に進化が速いことは周知の事実で、個人的にはスマホのアプリを車内でも使えるミラーリング機能を充実したほうがはるかに効率的と考えるからだ。もっとも、来るべき自動運転の時代を見据え、個人の情報管理をクルマ主体でビッグデータとして集約したいと自動車メーカーが望むのは無理からぬことでもある。各メーカーがしきりにコネクテッドと騒ぐのも、この辺に理由があると考えると理解できる。
バッテリーは自社開発する必要がある
高圧バッテリーに関するプレゼンテーションでは、電動化自動車時代を迎えたあかつきにはバッテリーの重要性が従来の自動車におけるエンジンに近いものになるので、バッテリーは自社開発する必要がある、とのことだった。事実BMWは、高圧バッテリーのアセンブリー設備をすでに社内で有しているといい、ディンゴルフィンゲン工場でその一部を見学させてもらった。