BMWが次世代見据えて仕込む最新技術の数々 年産200万台規模のメーカーが最先端を走る

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奇しくも3台揃って乗り心地が良好だったが、これに関連してひとつ報告しておきたいことがある。

BMWといえばサブブランドのMを除いて全車ランフラット・タイヤを標準装備しているというのが、これまでの常識だった。ところが、ヨーロッパではランフラットでないタイヤのライン装着も可能になっているそうだ。ちなみに、今回試乗したなかでは340iのみランフラットだったが、740Leとi3にはランフラットでない通常のタイヤが装着されていた。

当然、340iの乗り心地が快適だったことを敢えて蒸し返すまでもなく、近年のBMWはランフラット・タイヤをかなりのレベルまで履きこなしている。したがって私自身も「断固ノン・ランフラットにすべし!」と主張するつもりはないが、あれだけランフラットにこだわってきたBMWのここにきての変化はいささか興味深いと言わざるを得ない。

創業から100年を経過したいまも変わらぬ心意気

さて、ここまで駆け足でBMWイノベーションデイを振り返ってみたが、驚くべきは彼らが取り組んでいる技術分野の幅広さにある。「この程度のことはメルセデスやアウディだってやっている」といえばそれまでだが、年産200万台規模の自動車メーカーが電動化技術やIT化などの領域でも世界最先端を突っ走っている事実は驚異的といっていい。

しかも、そのうえでBMWは内燃機関のさらなる改良にも意欲を燃やしている。BMWとはBayerische Motoren Werke、つまり“バイエルン・エンジン製造会社”の頭文字。その心意気は、創業から100年を経過したいまもまったく変わっていないのだ。

(文:大谷達也)

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