アメリカで流行る「Houseparty」とは何者か マーケターが押さえておくべきこと

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ただし、ブランドのコンテンツがプライベートソーシャルネットワーク(または、ダークソーシャルネットワーク)へ割って入るのは難しい。特にHousepartyのようなアプリは、シンプルな単機能しかなく、広告表現の仕組みが限られているため、ハードルが一層高くなる。

Musical.ly(ミュージカリー)のようなアプリと違って、Housepartyはフィード上で新しいコンテンツの発見を主眼とするようなメディアではない。インフルエンサーやセレブではなく、既存の関係、つまりスマホの連絡先リストのネットワークのうえに役立つアプリなので、プロダクトプレイスメントがより困難になっている。

VCCPキン(VCCP Kin) でマネージングディレクターを務めるピート・グレンフェル氏は、「ブランドのメッセージをどこかに流す」としても、友人同士の閉鎖的なグループには受け入れられないだろうと指摘。それでも、Housepartyにはブランドが入り込む方法はあるかもしれないという。たとえば、アプリ上の会話にインフルエンサーを参加させたり、ユーザーの話題から消費者マインドを汲み取ったりすることが考えられる。本記事のために接触したほかのエージェンシー幹部は、定性的調査を実施する環境になりうるという意見に同意した。

アディダスなどのブランドは、ワッツアップのようなダークソーシャル(閉鎖的な)プラットフォームのユーザーグループを介してコンテンツを拡散させている。「ソーシャルメッセージングのAI機能が向上したおかげで、こうしたコンテンツの展開が以前よりも現実的になっている」と、マーケティングエージェンシーのチーム・イレブンで戦略パートナーを務めるニコラス・ギル氏は語る。

エージェンシーのWCRSの戦略部門を率いるマット・ローズ氏は、ブランドがチャットのスポンサーになる可能性があると予想する。「エンターテインメント系ブランドにとってはとりわけ有効かもしれない。たぶん、シリーズ映画やスポーツチームが、グループ動画視聴を後援するのではないか」と、ローズ氏は述べている。

そのほかの懸念材料

Housepartyユーザーの60%超は24歳未満で、スナップチャットの広告主がターゲットにしている年齢層と似ている。だがスナップチャットは現在、より年齢層の高いユーザーも増やしている。

ただし、Housepartyのアプリストアにおける評価は4プラスだ(ほかの大半のソーシャルネットワークは13歳以上のユーザー向け)。英デジタルエージェンシーのアイプロスペクトでソーシャルおよび動画のメディアバイイングを率いるロブ・カブロブスキー氏によると、これは、子供向けの広告をめぐり、英国の広告慣行委員会(CAP)の厳しい規則を破りたくないブランドにとって、危険信号になりうるという。

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