中高生はなぜLINEで知らない人と出会うのか 「自画撮り」による被害が深刻化している

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その後も2つのグループに加入してみましたが、どちらも私を含めたグループメンバーはあっという間に退会させられました。メンバーの退会作業は同じアカウントにより行われたので、もしかするとLINEのスタッフだったのかもしれません。

グループには中高生を装ったアカウントを作って加入しましたが、友だち追加されたのは2つのアカウントだけ。中高生ではないと見破られたのか、彼らは出会いや自画撮りが目的でなかったのかはわかりませんが、メッセージは現在のところ送られてきていません。自分のタイムラインで雑談をしたり、さらにグループへの加入を呼びかける投稿を続けていたりしています。しかし、自画撮りを要求するような人は雑談から入って心を開かせる手口を使うため、これから何か起こるのかもしれません。

東京都は条例改正を検討し始めた

トークはまず年齢の確認から入ることが多い。小学生を名乗るアカウントも(筆者撮影)

インターネットで知らない人と出会う機会は、LINEに限ったことではありません。中高生の利用率が高いTwitterで、知らない人からのリプライやDM(ダイレクトメッセージ)を受け取ったことがあるという話はよく聞きます。「文化祭の写真撮ってくれた人、LINEに送ってー」と、Twitterに自らのLINEのQRコードを張るのも珍しくない行為なので、Twitter経由でLINEに追加されることもあるでしょう。

前述の47歳の男は、「スタンプをくれる人」として小学生の間でクチコミで広がったといいます(2016年12月8日産経新聞より)。LINEアカウントはトークの機能で簡単に拡散されるため、有料スタンプ詐欺を行うアカウントも、あっという間に広がっていたことを思い起こします。

「自画撮り」の被害が多発していることを受けて、2月21日には都庁で「青少年問題協議会」が開催されました。画像を送るように何度も求めた段階で取り締まれるように、東京都は条例の改正も検討し始めるとの報道がされています。

法整備が全国に広がることも期待したいところですが、「知らない人とつながらない」ことを最低限のルールとして伝えることが、大人としての役割だと実感しています。

鈴木 朋子 ITライター・スマホ安全アドバイザー

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すずき ともこ / Tomoko Suzuki

メーカー系SIerのSEを経て、フリーランスに。SNSなどスマートフォンを主軸にしたIT関連記事を多く手がける。10代の生み出すデジタルカルチャーを追い続けており、子どもの安全なIT活用をサポートする「スマホ安全アドバイザー」としても活動中。著作は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)など多数。
http://tomoko.chu.jp/

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