「ねじれ解消」で問われる首相の実行力 参院選で自公が過半数獲得

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7月21日、第23回参議院選挙で与党の自民・公明両党が非改選議席も合わせて過半数を獲得し、国会の「ねじれ」が3年ぶりに解消される見通しとなった。写真は21日、自民党本部で撮影(2013年 ロイター/Issei Kato)

[東京 21日 ロイター] - 21日投開票の第23回参議院選挙では、与党の自民・公明両党が非改選議席も合わせて過半数を獲得し、歴代政権の足かせとなってきた国会の「ねじれ」が3年ぶりに解消される見通しとなった。共同通信やNHKなど複数の国内メディアが伝えた。

共同通信の出口調査によれば、安倍晋三首相(58)が率いる自民党は改選34議席から60議席台に伸ばして大勝し、第1党に復帰。公明党も改選10議席を維持し、両党で非改選の59議席と合わせ、過半数の122議席を超える見通しという。

「ねじれが解消された。これから問われているのは自民党だ」と、安倍首相は21日夜のNHK番組で語った。また、「これまでの経済政策をしっかりと実感のあるものにしてほしいとの国民の声に応えていかなければならない」と述べた。

参院で第1党だった民主党は、先月の東京都議会議員選挙での惨敗に続き、苦戦を強いられており、これまでの86議席(含む非改選42議席)から大きく後退。獲得改選議席は20議席を割り込み、過去最低となる見通し。一方、日本維新の会と、みんなの党の獲得議席は、いずれも10議席以下とみられる。

昨年12月の衆院選で民主党から政権を奪回した安倍政権が、衆参で多数派が異なる「ねじれ」の解消により、これまでの「決められない政治」と決別して、消費税率引き上げや環太平洋連携協定(TPP)交渉参加、憲法改正といった国論を二分する重要課題をどう舵取りしていくかが注目される。

参院選は3年ごとに行われ、定数242議席のうち半数の121議席が改選される。今回は433人が立候補しており、選挙区の73議席と比例代表の48議席を争った。

また、各候補者についての情報の充実を図り、有権者の政治参加を促すために、初めてインターネットを使った選挙活動が解禁された。共同通信によれば、総務省が発表した午後7時半現在の参院選中間投票状況では、全国の投票率は36.62%で、前回の43.38%を6.76ポイント下回った。

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