「レアル」追い詰めた「鹿島」監督の組織論 見つめ直したチームリーダーとしてのあり方
――“ジーコイズム”であったり、ファンの期待というか、求めるものへの応え方といいますか、そういったところも。
そうですね。非常にそういう期待も大きいですし、あとは、結果が出てなくて、その時にチームの一体感というのが少しバラバラになってきてしまっていて。そこの責任はやはり私自身にあると、自分1人で背負ってしまった部分が大きいんじゃないかなと思います。
――石井さんが先ほどおっしゃっていたように、選手の方との垣根をなくそうという取り組みもされていましたが、それでもコミュニケーションが悪くなってしまいました。その時のチームの状況は、何が原因だったと感じますか。
それぞれの選手がそれぞれに、チームのために何かしようというのはあったと思うんですね。それが多分、1つの方向ではなくて色んな方向に行ってしまったというのが原因じゃないかなと思うんですね。
奮い立たせてくれたメッセージ
――そんな中、結果的に試合は休養ということでしたが、どうされていたんでしょうか。
本当に気持ちが落ち込んでしまっていたので、自分でもわからないぐらいどうすればいいかと迷いましたけども、試合を自宅で見てたんですね。
それを見ることによって「なんで自分があの場にいないんだ」という思いだとか、テレビの中で活躍している選手だったり周りのスタッフだったり、その姿を見て「またそこに戻りたい」と思ったんです。
――あとは、OBや仲間の方からメッセージもあったようですね。
はい。そういう報道がされた瞬間から、かなりのメッセージをいただきました。多くの方は励ましのメッセージだったんですけども、その中で特に、同業者である他のチームのコーチ、監督の言葉はすごく響きましたね。
――いったん休養と決められてから、現場から離れて自宅で観戦されて、もう1回頑張ろうと気持ちを切り換えるのは勇気がいると思うんですが、そのターニングポイントは何だったんですか。
いろんな人からのメッセージの1つに、「この状況から逃げちゃいけない」という言葉があったんですね。何名の方からかいただいたそのメッセージが、1番自分を奮い立たせてくれたんじゃないかなと思います。
――それが1つやはり“復帰”の後押しになった言葉なんですか。
はい、それは大きかったと思いますね。