サンフレッチェ「新スタジアム」はどうなるか

渦中の久保允誉会長に独占インタビュー

独自案を公表したサンフレッチェ広島の久保允誉会長。サッカー専用スタジアムをめぐる対立は平行線をたどったままになるのか(撮影:今井康一)
広島のサッカー専用スタジアムの建設候補地を巡り、地元自治体が推す案に、サンフレッチェ広島が独自案をもって異議を唱えている。
サンフレッチェ広島は広島市をホームタウンとするJ1リーグ所属のサッカーチーム。マツダ蹴球部をルーツとする古豪だが、Jリーグ発足から2000年代半ばまでは下位の常連で、2003年と2008年にはJ2降格の辛酸もなめている。だが、2012年に森保一氏が監督に就任して以降、4年間で3度Jリーグを制するなど、強豪チームに変貌している。
そのサンフレッチェが、現在ホームスタジアムとして使用しているのがエディオンスタジアム。陸上競技場として建設されているので見づらいことに加え、老朽化も進み、トイレの数や屋根のカバー率がJリーグのクラブライセンス基準を満たしておらず、制裁対象になってもいる。いずれは基準を満たす方策を講じなければならない。
このため、2011年にサンフレッチェが中心となって、サッカー専用の新スタジアム建設を求める署名集めを開始、2012年8月、広島県サッカー協会やサンフレッチェ後援会と連名で、広島県と広島市に建設要望書を提出した。これを受けて県、市、商工会議所、県サッカー協会の4者によって建設協議会が発足したが、協議会は県、市、商工会議所主導で意見書をまとめ、2015年1月に解散してしまった、というのがサンフレッチェ側の認識である。だが、検討はかなり以前からやっており、要望書が出たから協議会を発足させたわけではない、というのが行政側の認識だ。
それから1年。県、市、商工会議所で作業部会を発足させたものの、サンフレッチェへの接触は一切なく、サンフレッチェは自身の利害に反する計画が進行中であることを報道で知るのみ。業を煮やしたサンフレッチェは、独自案を公表し異議を唱えた。メインスポンサーであるエディオン会長で、運営会社サンフレッチェ広島会長でもある久保允誉氏に話を聞いた。

われわれは危機感を募らせていた

――3月3日に会見を開き、独自案を公表されました。なぜこのタイミングだったのですか。

昨年1月の協議会解散後、作業部会がサッカー協会やわれわれを排除した顔ぶれで発足したらしいということはうわさで知っていましたが、この1年何の接触もありませんでした。でも、われわれが望まない、みなと公園が建設予定地として最有力だという報道が出るようになり危機感を募らせていたところへ、年が明けてからは3月末までに正式決定するという報道まで出てきました。

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