新国立、僅差で大成建設のA案に決まった理由 再公募時点で勝負あり、「出来レース」の声も

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採用された「A案」の外観(画像:新国立競技場整備事業大成建設・梓設計・隈研吾建築年設計事務所共同企業体作成/JSC提供)

わずか8点差ーー。4年以上にわたり迷走してきた新国立競技場の事業者がようやく決まった。

日本スポーツ振興センター(JSC)は、12月22日に記者会見し、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設で、大成建設と建築家の隈研吾氏・梓設計のチームが優先交渉権者に決定したと正式発表した。

大成建設は、すでに解体された旧国立競技場も施工し、今回の受注にも積極的な取り組みをみせてきただけに「国家プロジェクトの事業者に選定され、光栄の至り」(山内隆司・大成建設会長)と語った。

工期と工費の抑制が重視された

2015年7月の安倍首相による旧計画の白紙撤回を受け、JSCは設計と施工を一体としたデザインビルド方式による業者募集を実施。新計画では特に工期と工費の抑制に重点が置かれ、工費の上限は1550億円、完成期限は国際オリンピック委員会(IOC)が求める2020年1月とし、さらなる工期短縮を目標とした。

入札に参加したのは2つの企業グループで、12月14日に「技術提案書」が公表された。「A案」は大成建設・建築家の隈研吾氏・梓設計のチーム、「B案」は竹中工務店・清水建設・大林組の3社JVと建築家の伊東豊雄氏・日本設計のチームだ。

2つの案とも「杜のスタジアム」というコンセプトを掲げ、日本の伝統的建物のイメージを持たせた。座席数も約6万8000席、完成時期は2019年11月末と同じ。工費はA案が1490億円、B案は1497億円と似たような提案内容となった。

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