ここまで、レジでバレてしまう「二流の精算者」の恥ずかしい欠陥商品ぶりを暴露してきた。それでは、一流の人は、レジでどう振る舞うのか。
「カバンや財布の整理」が行き届いていて、「買うものも健康的」で、「店員さんに礼儀を尽くす」のは当然として、「一流のレジ精算者」は、以下のような誇るべき特質を有している。
【1】「暗算」で終わっている
一流のレジ精算者は、会計時にすでに暗算でいくらか、完全に把握している。私の友人の事例だが、世の中の頭脳がすべて彼と同じなら、カシオ計算機など計算機を作っている会社はすべて倒産してしまうだろうと思われるほど暗算が得意な人間がいる。
彼は食事会の計算タイムでも、それはそれは正確に人数で割った金額を1円単位で暗算できるので、「ミスターお会計」との異名をとる。一流の人は、精算をするときに、「簡単な四則計算くらい」で、レジの計算機を必要としないのである。
そんなに丁寧に手を添えなくても……
【2】「生理的配慮」がある
一流の精算をする人は、おカネを渡すときに「清潔さ」にも気を配る。
これは二流の店員さんに見られる不快な現象だが、丁寧なカスタマーサービスのつもりかもしれないが、たかだか24円くらいのお釣りを渡すのに、それはそれは丁寧に手を添えて渡してくれる。
これが「きれいなお姉さんなら大変ウエルカムではないか」と思わなくもないが、不潔そうなTシャツ・ジーンズ姿でボサボサ頭のお兄さんが、手を握るようにしてお釣りを渡してくると、「そんなに丁寧に手を添えなくても……」と思うのは、当然の生理反応ではないだろうか。
一流の精算タイムとは、おカネをやり取りするときの「生理的反応」にも、十分配慮がなされているものである。
【3】さらっと前の人の分も、払ってしまっている
最後に強調したい一流のレジ精算者の特徴が、前の人の会計もさらっと済ませてしまうことである。
これはタイのプーケットでの出来事だが、現地で売っているカールを買おうとレジで待っていたとき、前に並んでいたタイの子どもが一生懸命おカネをポケットから探していた。
私はとっさに気を利かせて、その子の精算も済ませてあげたところ、その子はうれしそうに手を胸の前で合わせ、私に拝むようにお礼を言った。
私が払ったのはたかだか100バーツ(約320円)だが、その子をえらくハッピーにしたのみならず、レジのお兄さんからも「いいことしてくれてありがとう」と感謝され、それはそれは偉人になった気がしたものである。
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