グローバルエリートが参院選を分析してみた ギリシャのエーゲ海からはるばる寄稿

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なお選挙で勝つなら早期に細野さんを投入した方が目があったが、今の海江田さんでは発信力とカリスマ性が弱すぎるのは政治の専門家でなくても明らかだ。もはや何を言っても信用してもらえない党になっており、参院選も大敗して有権者の怒りがどの時点で収まるのかを見守る展開になっている。蓮舫さんなど誠実で立派な議員さんもいらっしゃるだけに、現在の凋落が残念な限りだ。

ある報道機関の調査によると44議席が半減以下すると言われているが、負け戦は不人気の海江田氏に任せていったんボトムを見てから、温存していた細野さんとかを担ぎ出すつもりだろうか。

もはや中心的野党として与党のけん制機能すら担ってほしくない、というヒステリックなまでの敵意を国民から受けてしまっており、メディア対応も相当下手だったと言わざるを得ない。(本来自民党が招いた問題でも、民主党に怒りの矛先が向かってしまっている)

ちなみに野田政権が命がけで通したかに見える消費税増税も凍結の雰囲気があり、かつ議席削減で衆院解散に踏み込んだ野田氏って、一体何だったのだろう。

社民党はどこまで負けたら党首が代わるのか

さて、社民党ってまだあるのが不思議なくらいだが、一応存在させることで“日本の民主主義には少数政党が少数意見を代表して発言してます”くらいの恰好が欲しいのだろうか。政策的に何らインパクトのない時代が続いて久しいが、この党勢の長期凋落にも関わらず、まだ党首が交代せず居座り続けている点に、いかに人材がいないのか推して測れる。

残念ながら討論会や演説でも福島氏(人柄的には好きなのだが)の発信力が極端に弱く、本来資本主義の弊害で弱者や貧困層が増えたら議席を増やせるはずの政党なのに、一貫して弱体化しているのが痛々しい。消費税増税反対、非正規雇用反対、改憲反対、自衛隊海外派遣反対、と諸々の政策自体は支持している層も多いと思うのだが、いかんせんその実行力を信じている人はおらず、その政策の副作用のマネジメントに関しても全然信任を受けていない。

もはやなぜあるのかわからない政党の一つになっている気がするが、私のこの描写が間違っていて社民党が党勢を盛り返すべく、責任ある政策実行力を現実的に養われることを祈るのみである。

今回も全然世の中に浸透しない“今回の参院選は、○○選挙だと言えます”などのセンスに乏しい選挙ネーミングを、福島氏はつけてくれるのだろうか。エーゲ海の彼方から、固唾を飲んで見守りたい。

次ページ所得水準は自民だろうが共産だろうが当面低下
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