グローバルエリートが参院選を分析してみた ギリシャのエーゲ海からはるばる寄稿

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共産党はとにかく党名を変えよ

共産党も長らくなぜあるかわからないほど国政にインパクトの薄い政党であったが、ここにきて議席を拡大する見込みだという。これも民主党や維新の会の大混乱と崩壊のきざしから、“せめて政党の体をなしている”野党が共産党くらいしかなかった、と思われているのだろうか。それとも単に、投票率が下がれば組織票のある共産党が相対的に得票数を延ばすのか。

それにしてもいつまで“共産党”という名前を使い続けるのだろう。絶対に一般に支持の広まらない名前であり、党名だけで一般の人の拒否感が強そうだが、せっかく組織力があるのだから、戦略コンサルファームか広告会社かPR会社か雇って、もう少し現実の市場に応じた政策と主張内容に調整したらいかがか。

社民党と同じくおっしゃっている気持ちは分かっても、消費税ゼロなどの実現可能性や実現した時の副作用についてどこまで考えているか、不安な主張内容が多く、“どうせ政権をとれないから無責任に消費税増税反対、所得向上実現”とか言えるのだ、と思われているフシがある。

なお所得に関しては自民党だろうと民主党だろうと共産党だろうと、グローバル経済のパワーシフトの中で緩やかに一人当たり国民の生産性に応じた世界経済の平均値に収束していくので、自分の生産性を挙げる効果的な努力をしていない人はどの政党に投票したところで所得は減っていくことだろう。

志位さんは誠実で正直そうなので頑張ってほしいのだが、“共産党が所得を上げる”と言うたびに失笑してしまう人も多いのではないか。極めて保護主義色が強く、また雇用政策を見ても、単に産業競争力と雇用数が落ちるのが目に見えているのだ。戦争反対やアジア外交重視の姿勢は共感できるだけに、経済政策をまともなモノにして態勢を整え直してほしい。

公明党は連立パートナーとして、自民牽制の役割を

ここにきて重要性を増しているのが公明党だ。というのも参院選では自公が大勝する見込みだが、これはあくまで“政権担当能力がある”という原始的な点と、“金融緩和と財政拡大を続けて欲しい”という政策一貫性への要求であり、安倍氏がどさくさに紛れて進めたくて進めたくて仕方のない、“不健全な悲願”である歴史の修正や再軍備を含めた改憲の強行への支持ではない。そこで“ほかに政党がない、と投げやりに自民ばかり入れる代わりに、同じ連立政権の公明党の比率を上げることも一考であろう。

公明党は自民と連立を続けるので経済政策は現状の延長であるが、自民党にとって公明党がなくてはならないほど大きければ、安倍氏の歴史認識の修正主義に慎重な公明党を無視できない。これらの点で安倍氏の暴走に歯止めをかけつつ、経済政策はこれまで通り運営できる可能性がある。どうせ自公を勝たせるなら、公明党のバランスを高めるのも賢い選択の一つかもしれない。(といっても自民の大勝を牽制できるほど、立候補者がいないとのつっこみが聞こえてきそうだが。)

今回の選挙は実質野党不在の選挙なので、大勝する自民へのけん制を連立政権を担っているパートナーの公明党に求めざるを得ない、という異例の展開になっているといえよう。

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