複雑で理不尽な、比例代表選定の仕組み ライバルは同じ政党の候補者、当選者ラインもバラバラ

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全国比例とは言えど、結局は選挙区や他の選挙と同様、地元を固めるのが一番です。当選に何百万票も必要であれば、全国で活動する他ありませんが、数万~10万票で良いわけですので、10数万人程度の市を一つ完璧に固めるだけで、十分に当選することができるのです。

私が前回の衆議院総選挙で頂いた4万4,828票をそのまま参院選の比例代表に持っていくことができれば、当選の可能性が十分にあります。 しかし、繰り返しになりますが、参院選の比例代表で個人名を書いてもらうことは、他の選挙で一票を頂くよりもはるかに難しいことですので、なかなか計算通りにはいきません。

ちなみに、いわゆる有名人候補者も2期目の当選が大変です。有名人に入る票は、組織票と比べると固くない票であり、新たな有名人が出馬すれば、そちらに流れてしまいがちです。

また、初出馬の際はニュースなどで大々的に報じられますが、2期目はほとんど報じられないため、出馬していることすら気付いてもらえず、苦戦するのです。そのため、有名人候補者にとっては、2期目に生き残れるか否かが勝負になります。

そんなこんなで、ついにやってくる参院選投票日。アベノミクス、TPP、原発、消費税、外交、憲法改正・・・と課題が山積する中、これからの日本の行方を左右する、本当に大切な選挙です。

この連載は、政治家を実際に経験した立場から、政治家の心理や政治の内情をクローズアップし、これまでにない角度から政治を見る視点を皆さんに提供することを目的としてきました。

皆さんの「選択」の一助になれば幸いです。 必ず投票に行って下さい!

よこくめ 勝仁 政治解説者、弁護士

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よこくめ かつひと

 1981年9月10日生まれ、愛知県出身。中卒・トラック運転手の父のもと、裕福でない家庭で育つ。父のように、家族のためにがむしゃらに働く人が幸せになれる社会を作るため、小学生のときに政治家を志す。東京大学法学部を卒業した年に司法試験に合格し、弁護士に。「総理」というニックネームでフジテレビ系恋愛バラエティ番組『あいのり』に出演。2009年の第45回衆議院議員総選挙で、神奈川県第11区において小泉進次郎氏らと戦い、比例復活で初当選を果たす。2012年の第46回衆議院議員総選挙では、東京都第18区において無所属で菅直人氏らと戦い、落選。現在は、「政治解説者」と「弁護士」と「文化人」という三足のわらじを履き、日々奮闘中。
 




 

 

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