自動車各社、ガラ軽でアジア、アフリカ狙う 軽自動車をどう新興国に売り込むか?
三菱自はアフリカに関心
「今後成長が期待できる新興国などでこういう小さな車が通用するのか、ぜひ大いなる実験をしてみたい」。6月の新型軽自動車の発表会。三菱自動車工業<7211.T>の益子修社長はこう語り、軽自動車の海外展開に含みをもたせた。
益子社長の念頭にあるのはアフリカ市場だ。同社は7月20日にケニアで開く販売代理店との会議で、軽自動車や軽自動車をベースにした車が現地で通用するかなどを議論する予定。三菱自は前期に欧州生産からの撤退を決め、不採算だった米国工場をテコ入れするなど、長年の課題にメスを入れている。将来の成長を見据え、成長が見込める市場に種をまいておきたい益子社長にとって、アフリカ市場は成長余力のある実験市場と映る。
他方、ホンダはアジアでの展開を検討している。ホンダの軽自動車「N BOX」シリーズは、世界戦略車である「フィット」などと同じ生産ラインで組み立てられる設計で、当初から海外でも生産しやすいようになっている。
四輪事業本部で軽自動車と小型車の事業を統括する竹村宏参事は、軽自動車の規格が海外でそのまま通用するかは疑問だが、完成された商品として提案できる国はあるという。特にインドネシアやマレーシアは「ある程度、交通のインフラが整備されていて、使用目的が主婦の買い物だったりする。日本の使われ方に非常に似ている」と指摘。決まった話ではないとしつつも「検討している」と述べた。
ホンダのほかの幹部は、国内市場が頭打ちとなっていく中、次にポテンシャルがあるのはアジアだと指摘。ASEAN(東南アジア諸国連合)やインドで軽自動車の技術を活用する可能性は「十分にある」とみる。ただ、現実的に現地のニーズに合った商品として仕上げ、販売していくには「時間がかかる」とも述べた。