自動車各社、ガラ軽でアジア、アフリカ狙う 軽自動車をどう新興国に売り込むか?
「ガラ軽」返上、汎用性の拡大が課題に
日本の国民車──。日本自動車工業会の豊田章男会長(トヨタ社長)がこう呼ぶ軽自動車は、国内では新車販売の約4割を占めるものの、世界市場ではマイナーな存在となっている。エンジンや車体のサイズに独自の規格を採用しているためだ。外界と隔絶され閉鎖的な生態系が育った「ガラパゴス」になぞらえて、日本の携帯電話が「ガラ携」と呼ばれるように、国際的な汎用性のない軽自動車はしばしば「ガラ軽」と皮肉られる。
軽自動車業界をけん引してきたスズキとダイハツは、30年以上前から軽自動車をベースにした車両をアジアで展開してきた。スズキが1983年にインドで発売した「マルチ800」、ダイハツが94年にマレーシアで生産を始めた「カンチル」は、低価格を武器に現地で大ヒット商品となったものの、こうした成功事例も限定的だった。
だが、新興国におけるモータリゼーションの進展で、潮目は変わりつつある。自動車業界からも、激しい販売競争の中で磨かれてきた技術が国内だけにとどめられているのは惜しいという声が聞かれるようになってきた。新興国で大きく伸びているマイカー需要をとりこめるかどうか、各社の「軽」戦略の成否がひとつのカギをにぎっているともいえそうだ。
(杉山健太郎 ;編集 北松克朗)
*本文第8段落の表現を修正して再送します。
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