孫社長、山中教授が檄「若者はすぐ渡米せよ」 異能の若者を支援、返済不要の奨学金が発足
「異能をどう測るか」と聞かれると、「ホームページを開設しただけで『こんなすごい人もいる』と多くの情報がすでに寄せられている」とした。「日本には『出る釘は打たれる』という言葉がある。異能の若者に早く海外に行ってほしい。そうすることで心も育つ」(山中教授)。
副代表の山中教授は10年前に初めて渡米したが、「その後は毎月、米国に行っている。世界の中心だから、米国に行くべきだ。多くの若者が才能を開花させている」(山中教授)。孫社長は「これからの若者は英語を第1言語にしないといけない。開かれた心で海外を見てほしい」とも語った。
第二、第三の孫社長、山中教授を育てられるか
孫社長は「本当はネットバブル(1999年~2000年春)の頃にこうした財団を始めたかった」とも明かした。「(ソフトバンクの株価が高騰し)数日だけマイクロソフト創業者のビル・ゲイツを個人資産額で上回ったことがあった。だが、財団設立を考えているうちにネットバブルが弾け、ソフトバンクの株価が100分の1まで下がり、実現しなかった」(孫社長)。
孫社長は財団設立の意義について、「僕たちはバトンを引き継いでいかないといけない。つねに若者たちが次の時代を作る。若者たちが国の宝であり、人類の宝だ。よき心、熱き心を広げてもらいたい」と語った。孫社長は「まずは日本で始めるが、いずれは海外にも広げたい」との構想も披瀝した。
同財団は2月末に最初の募集を締め切る。個人面談を経て、最初の助成対象者を決める。面接会場に来られない地方在住者にはスカイプでの面談も予定している。
孫社長自身、16歳の時に米国に留学。米国での猛勉強が現在の礎となっているという。当時の苦労を思い出したのだろうか、イベント後、久々の囲み取材では、若者へのメッセージを聞かれて「解き放て、飛び立て」と語り、目をうるませる場面もあった。財団は第二、第三の孫社長、山中教授を育てることができるか。孫社長にとって新たな挑戦が始まった。
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