ソフトバンク流「スマホ消費者金融」の舞台裏 みずほと合弁、AIで融資基準が緩和される?
9月15日。ソフトバンクとみずほ銀行が、消費者金融で合弁会社を設立すると発表した。資本金50億円は両社で折半出資するが、会計上はみずほ銀行の連結子会社とする予定だ。今年11月に設立し、2017年央までの事業開始を目指す。合弁会社の社名やブランド名は今後詰める。
今回設立する合弁会社の最大の特徴は、スマートフォンの専用アプリでプリ・スコアリング(属性による事前の予備審査)をし、「この金利でいくらまで貸せる」という結果(スコア)を示す「スコア・レンディング」にある。
予備審査の結果を受けてスマホで融資を申し込むと、「30分以内に銀行口座に振り込まれる」(みずほ銀行の持ち株会社・みずほフィナンシャルグループの佐藤康博社長)という、スマホで完結する仕組みだ。スマホで完結するので新会社は無店舗営業である。人員やインフラは最小限に抑え、コストを抑制。その分だけ(他の消費者金融よりも)「低い金利を(提示できるように)意識している」(佐藤社長)。
個人情報を追加提供すれば、多く借りられることも
しかも、追加で個人属性や購買履歴などの個人情報を自ら提供することでスコアが上がる場合があるのがミソだ。追加情報をAI(人工知能)で処理し、貸出上限額を引き上げたり、貸出金利を下げられたりするという。「個人が自ら情報提供するので、個人情報保護の問題が生じない」(佐藤社長)。虚偽の情報を入力してスコアを上げようとしても、「AIが虚偽を感知してスコアは上がらない」(同)。ただしAIをどう有効活用するかは、今のところ明らかにしていない。
佐藤社長によれば、「みずほ(銀行)とソフトバンクのスコアリングマップ(融資可能な属性の分布図)を重ね合わせてみたら、みずほ(銀行)がこれまで貸せていない先でも、本当は貸せる先が膨大にあることがわかった」と今回の合弁会社設立のきっかけを語る。
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