リニアと新幹線を結ぶ?「相模線」の可能性

実はJR東日本発足後の乗車人員増加率1位!

また、相模線は中央新幹線および東海道新幹線と接続する鉄道路線となる可能性もある。「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」は相模線倉見駅付近への東海道新幹線新駅設置の要望を続けているが、東海旅客鉄道(JR東海)から「中央新幹線開業に伴い、東海道新幹線のダイヤ構成に余裕が生まれれば、新駅設置の余地が高まる」旨の回答を引き出すことに成功した。費用分担など課題は少なくないが、実現すれば相模線の乗車人員増加が期待される。

さらに、沿線の発展に伴って複線化の要望も上がっている。関係自治体によって1998年に設立された「相模線複線化等促進期成同盟会」は、JR東日本への要望活動を続けている。2011年度から2013年度に実施した調査研究を基に策定した「新たな相模線交通改善プログラム」(2014年3月)の中では、相模線複線化による需要増加、時間短縮効果や時間圏人口(夜間人口・従業人口)増加などの効果があるとの試算結果を公表している。

しかし、JR横浜支社広報室は「相模線のご利用状況などを勘案すると、莫大な設備投資を必要とする複線化については、難しい状況にある。今後の沿線の開発状況やお客さまのご利用動向などを見極めつつ検討する長期的な課題と考えている」とし、複線化には慎重な姿勢を崩していない。

待合室設置でサービス向上を

今後、相模線のさらなる活性化を実現するためには、サービス向上と利用促進を並行して進める必要がある。サービス向上策として、相模線の駅ホームへの待合室設置を提案したい。例えば、相模鉄道では、地域公共交通確保維持改善事業(生活交通ネットワーク計画に基づく事業)に基づく補助金を活用して待合室を設置しており、相模線でも検討の余地がある。

また、2014年2月15日に厚木駅の相模線乗換口に設置された中間改札機の撤廃による利便性改善を望みたい。筆者がある平日の朝8時前に厚木駅を視察した際には、中間改札で発生する渋滞によって狭い相模線ホームに滞留する旅客が列車と接触する危険を感じた。

改札共通化で利便性が向上した代表例として、東京地下鉄半蔵門線と都営新宿線の九段下駅がある。2013年3月16日から両線の間の壁撤去に伴い改札が共通化され、乗換の際の利便性が向上した。また、2027年度の中央新幹線開業に合わせた再開発で、名鉄名古屋駅と近鉄名古屋駅の改札共通化の構想も発表された。厚木駅の中間改札撤廃に向けて、JR東日本と小田急電鉄の英断を望みたい。

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