FBインスタント記事の新機能が好評なワケ 「毎日閲覧する習慣が付く」と歓迎の声
この段階からパブリッシャーを関わらせることで、エンゲージメントの測り方や広告の表示方法に関して、もっとも実用的な方向性を徹底的に吟味することができる。この機能によって新しい広告スペースが生まれるのは確かだが、最重要項目は読者がどのように反応するのか、という点に集中することだ。
ワシントン・ポストのインスタント記事・広告収入は「増えている」とのことだ。同紙のコマーシャルチームによってダイレクトに売られた広告収入は、すべてワシントン・ポストのものである。フェイスブック経由で売られたものはパブリッシャーの配分が7割となる。パブリッシャー側が売り切れていない在庫は、フェイスブックのオーディエンスネットワークによって売られる。
偽ニュース対策にも
「これは大きな収益を生むと考えている」と、メレル氏は付け加える。フェイスブックが保持しているデータを使って、広告を効率的にターゲットできるからだ。しかし、すべてのパブリッシャーが同じ体験をしているわけではない。ザ・インデペンデント(The Independent)のようなパブリッシャーは機能を利用しはじめてから収益が減っていると、レポートしている。
ワシントン・ポストが毎日配信している800から1000もの記事は、すべてインスタント記事で閲覧可能となっている。フェイスブックによるとインスタント記事は、フェイスブック上でポストされる通常のリンクよりもシェアされる傾向が15%も高くなっている。インスタント記事以前であれば、フェイスブックからの読者が7日間以内にまたワシントン・ポストの記事を読む割合は50%だったが、いまではそれが60%にまで上がっている。
「私たちにとっては偽ニュースに対抗するための素晴らしいツールだ。嘘や(プラットフォームの)中毒状態に対抗するひとつの手段となる。アルゴリズムを回避してオーディエンスに直接リーチすることができるんだ」と、エル・パイスのマネージング・エディターであるデービッド・アランデーテ氏は言った。