今日から始められる「口臭」のカンタン予防法 歯茎マッサージの正しいやり方とは?

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<1 歯ブラシで丁寧に歯を磨く>

ブラシの毛先を細かく前後左右に動かす(イラスト:庄司猛)

歯と歯の間や、歯と歯肉の境目、奥歯まで丁寧に磨きます。強い力でこすらないように気をつけ、ブラシの毛先を細かく前後左右に動かします。歯ブラシだけで十分ですが、磨き足りないときはフロスを使ってください。フロスがなければ輪ゴムで代用してもかまいません。ちなみに歯ブラシや歯磨き粉は、どこのメーカーのものを使っても大差はありません。それぞれ効果が謳われていますが、実は市販されているものにはそれほど効果の差はないのです。道具の選択よりも、優しく丁寧に磨くことのほうが重要です。

<2 舌を磨く>

歯を磨いたら、次に舌も磨きます。見落とされがちなのですが、舌にも食べかすはついているのです。歯ブラシで舌を傷つけないように、優しく食べかすをこすり落とします。舌の表面には舌苔という、ばい菌が作った苔状の汚れの塊ができます。これが口臭の原因となるので、こまめに取り除くようにしてください。溝状舌など、汚れが溜まりやすい人は特に念入りに行ってください。

<3 歯茎をマッサージする>

円を描くようなイメージで、丁寧に、圧力をかけすぎないように歯茎をマッサージする(イラスト:庄司猛)

最後に歯茎をマッサージします。上下の齦頬移行部(歯の外側の歯茎から頬の内側に移行する溝の部分)から歯と歯茎の境目まで全体的にマッサージしていきます。円を描くようなイメージで、丁寧に、圧力をかけすぎないように行ってください。マッサージするのは歯ブラシでも指でもかまいませんが、高齢の方の場合は皮膚が柔らかい指で行うのをすすめています。

<4 裏側の歯茎もマッサージする>

ひと通り行った後は、裏側の歯茎も同様にマッサージするとさらに効果的です。患者さんのなかには「お風呂に入りながら、指でマッサージすると気持ちが良いですよ」と言う人もいます。歯磨きのとき以外でも良いので毎日歯茎マッサージを行って、習慣にするように心がけてください。

この方法を実践した患者さんはみな「口臭がなくなりました」「気持ちがいいし、調子がよくなった」と喜んでいます。しっかり歯茎をマッサージすることで、口臭の原因でもある歯周病菌が取り除かれ、きれいな息を取り戻せるのです。

歯科の技量は「ピンキリ」

『やってはいけない歯の治療 全国から患者が押し寄せる〝歯の駆け込み寺″からの警告』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

歯は食生活に直結した大切な器官です。一度抜いてしまうと永久歯は二度と生えてきません。しかし歯磨き法ひとつを取ってみても、意外と正しい知識を持った人が少ないのが現状です。

また、最近は歯科が増えすぎて、日本全国の歯科の数はコンビニの数と同じくらいになってしまいました。実は歯科の技量はピンキリです。正しくない治療をされることもありうるのです。正しい知識を持って良い歯科を選ぶことは大切です。

そんな思いを込めて、私は『やってはいけない歯の治療 全国から患者が押し寄せる〝歯の駆け込み寺″からの警告』(KADOKAWA)という本を書きました。この本には、患者さんのためになる知識だけがわかりやすく書かれています。裏を返せば、営利主義の歯科医が読んだら困るようなこともいっぱい書いてあります。よろしければ、ぜひ手に取って読んでみてください。

斎藤 正人 サイトウ歯科医院院長/歯学博士

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さいとう まさと / Masato Saitou

1953年、東京生まれ。都立日比谷高校卒業、神奈川歯科大学大学院修了。保存学歯内療法学を専攻。長年「歯を抜かない」を治療方針に掲げ多数の患者を救ってきた。ブログ「抜かない歯医者のひとりごと」主宰。院長を務めるサイトウ歯科医院は歯のトラブルに悩む患者が全国から押し寄せる「歯の駆け込み寺」と呼ばれている。著書に『やってはいけない歯の治療 全国から患者が押し寄せる〝歯の駆け込み寺″からの警告』(KADOKAWA)、『この歯医者がヤバい』(幻冬舎新書)

(写真:吉場正和)

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