格安スマホ好調!大手携帯会社はピンチか 低価格サービスへ顧客が流出

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ドコモが発売した「MONO」は驚きの安さで注目された。これは価格重視ながらも、サポートを必要とするスマホ初心者をカバーする狙いが大きかったといえる(著者撮影)

一方で、MVNOの取り組みだけでは満足できないユーザーを大手通信会社側がフォローする動きもみられる。昨年に「一括648円」の低価格が注目されたNTTドコモのスマホ「MONO」がひとつの例だ。

スマホに乗り換えたい初心者には「価格は安い方がいいが、MVNOではサポートが不安」という悩みがある。そこで、ドコモ自身が非常に安価なスマホを投入することで安心感をもたらし、流出防止に打って出たわけだ。

ユーザーの「日常生活」を取り込め!

しかしながら、低価格サービスに力を注ぐだけでは客単価が下がり、売上高も落ちる一方だ。そこで、各社は既存ユーザーに対して通信以外のサービスを提供することにより、客単価を上げていこうとしている。

生活に関連するさまざまなサービスを提供し、ユーザーの囲い込みを進めている(写真:KDDI)

これを象徴しているのがKDDIである。KDDIは昨年「auライフデザイン」というコンセプトを打ち出した。

これは、スマホなど通信サービスを起点としながら、保険や住宅ローン、電力など、生活に関連するサービスをまとめて提供し、自社で取り込む構想だ。実際、今年に入ってからは、昨年にディー・エヌ・エーから買収したEC事業と自社のEC事業を統合した新しいサービス「Wowma!」を提供すると発表している。

総務省のガイドラインの影響によって競争環境が激変した携帯電話市場。大手各社は契約獲得に苦しんでいるように思えるが、急拡大する低価格サービスにしっかりコミットしつつ、生活系サービスを取り込むことで既存ユーザーの単価を高めるなど、実は抜かりなく手を打っているのだ。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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