App Store 5周年、これまでとこれから アップルのモバイルビジネスはどう変わる?
App Storeの問題点:アプリが見つけられない?
よくメンテナンスされ、活発な購買が行われるApp Storeはユーザーにとってはスマートフォンやタブレットの体験を広げるきっかけとなり、開発者は自作のアプリを広め収益化する窓口となる。非常にたくさんのアプリが配信されているストアの問題点とは何か。
AppGroovesはシリコンバレーの日本人起業家・柴田尚樹氏によって作られた企業で、アプリのSEO対策サービス「Search Man SEO」を提供している。柴田氏によると、アプリストアでは63%のユーザーがアプリを検索して探すとしており、検索する際にいかに的確にユーザーから発見してもらうかが重要だとしている。
裏を返せば、アプリが増えすぎてしまい、ユーザーからすれば目的のアプリを上手く発見しにくくなり、また開発者からはせっかくリリースしたアプリを見つけてもらいにくくなっていることを意味する。
柴田氏は、検索において、iPhoneやiPad向けのApp Storeよりも、AndroidのGoogle Playの方が効果が高いと指摘する。表示される検索件数の多さや、一覧性の高さ、類語拡張やスペルミスの自動補正など、検索企業であるグーグルらしいメリットが現れており、現状、アプリSEOはAndroidの方が投資価値が高い。
アップルも検索の重要性には気づいており、2012年にアプリ検索の企業Chompを買収し、たびたびの検索アルゴリズムの変更がなされているという。しかし、批判が噴出したiOSの地図同様、アプリの検索も、一日の長があるグーグルに追いつくのは先になりそうだ。
アプリの未来、モバイルの未来
今後のApp Store、そしてアプリを活用するモバイルはどのように変化していくのだろうか。キーワードはクラウドと、スマートフォン・タブレット以外のデバイスでの活用だ。
AppleはiOSでのApp Storeでの成功に続いて、Mac向けにもMac App Storeを提供し、OSを含む全てのソフトウエアをオンラインでの販売に切り替えた。また2013年秋には、同社のビジネスアプリケーションiWorkをブラウザ内で動作させるiWork for iCloudをスタートさせることから、クラウドで動作するアプリストアの可能性も考えられる。
またiOS in the Carのように、カーインフォマティクスとスマートフォンを連携させる取り組みに着手しており、アプリを別のデバイスから利用する状況も増えてきそうだ。特にグーグルが2013年中に発売する眼鏡型デバイスGoogle Glassや、アップルからの登場が噂される腕時計型デバイスを通じてアプリを利用することになれば、スマートフォンやタブレットの画面の外と連携するアプリ作りが可能になる。
アプリ開発者としては非常に自由度が高まることを意味するが、同時に開発のしやすさやユーザーの利便性は、プラットホームやデバイスがつつがなく連携できるかどうかがカギを握る。それは、アップルがプラットホームのエコシステムを考える際、最も気を使っている点でもある。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら