日本株は上昇か下落か、23日以降の見極め方 トランプ発言や為替に惑わされてはいけない
こうした世界景気の持ち直しを背景に、米国の企業収益は7~9月期から前年比ベースで増益に転じており(エネルギー価格の回復も要因として大きい)、日本も間もなく発表が本格化する10~12月期から増益転換すると見込まれる。
為替の変動だけでなく、世界の実需回復に注視を
日本の場合、投資家の目はどうしても円相場に向かうが、為替相場の変動に一喜一憂するより、世界的な実需の回復により、製品価格も輸出数量も持ち直す、という大きな流れに目を向けるべきだろう。特に輸出向け製品の生産が持ち直し、製造業の操業度が上がれば、世界全体で設備投資が回復すると期待される。日本は、設備機械そのものもさることながら、それを支える機械部品・電子部品などでも、優れた競争力を維持している。
実際、先週(1月20日までの1週間)の東証33業種別株価指数の騰落率ランキングをみると、上位には、海運(上昇率1位)、鉄鋼(同3位、以下同)、非鉄金属(4位)、石油・石炭(6位)、機械(7位)、鉱業(8位)、電気機器(9位)、金属製品(10位)、化学(11位)、卸売業(総合商社など)(12位)と、世界経済の改善に沿った、市況関連・輸出関連・貿易関連の業種が目白押しだ(ただし電気機器以下は、週間の騰落率がマイナス)。
逆に下落率が大きかった業種のランキングは、医薬品(下落率1位)、小売(同2位、以下同)、不動産(3位)、食品(4位)、建設(5位)と、内需ディフェンシブ業種がずらりと並んでいる。
トランプ相場による浮かれ過ぎは、はげ落ちる必要があるだろう、とは言ったが、昨年11月来の株価上昇は、全てが間違いなのではなく、こうした長期的な世界の明るい流れに沿った部分もあっただろう。誤りは正される必要があろうが、経済実態に沿った正しい動きの分までは、解消される必要はない。目先のトランプ氏の言動や為替相場の波乱に振り回されずに、真に市場を動かしている要因を、きちんと見据えていきたい。
今週の日経平均株価は、大きな明るい流れが優勢になる前の、短期的な調整が持続すると見込む。20日の米大統領就任式を注目する向きもあったが、米国株はご祝儀相場で前日比上昇したものの、米ドルは114円台半ばに下押しして引け、シカゴ日経平均先物(円建て)は1万9130円近辺と、先週末の現物指数とほぼ同水準にとどまっている。今週のレンジは、1万8500円~1万9300円を予想する。
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