トランプ大統領誕生後の米国はバブルになる 第一生命経済研究所の嶌峰・西濵氏が予測
いよいよアメリカでトランプ大統領が誕生する。そこで今回は第一生命経済研究所の経済・内外市場、金融市場全般を専門とする首席エコノミスト嶌峰義清さんと、中国・アジア・新興諸国経済などが専門の主席エコノミスト西濵徹さんに、2016年のマーケットの振り返りと、トランプ大統領誕生後の世界を語ってもらった。
アメリカの利上げ回数が読めなかった2016年
――2017年は、日経平均株価は大きく上昇して始まりましたが、ここへ来て一服感もあります。まずは2016年のご自身の予想を振り返ってもらえますか?
嶌峰:2015年、2016年と2年連続で「年明けドボン」でしたね。2016年は1年全体では強気の予想でしたが、日経平均株価の高値は2万3000円が高値とみたので、全体的にも外れた年だったわけです。
――予想が外れた理由をどう分析していますか?
嶌峰:私はエコノミストなので、まずは経済の予想からみるわけです。すると2015年、2016年の世界経済が減速局面なのはわかっていました。しかし、世界中の金利水準は低い、それもかなり低い状態です。失速はない。つまり不況には行かない。不況には行かないことはわかっていて、おカネはジャブジャブに供給されているのだから、堅調に推移するだろう、と株式市場に関しては予想したわけです。
そんな中で外した理由は、アメリカです。減速の中でもすでに雇用統計の数値もよく完全雇用のレベルに入っているし、金利の水準は理論値から考えて非常に低い。インフレはないにしても、バブルがイヤだったら利上げするはず、と考えました。しかも、5回程度は利上げするのではないか、ととらえたのです。
結果は、年末の1回のみ。利上げが12月までなかったために、円安にもならなかった。利上げの予想が完全に外れました。景気が減速局面の中で、それでも利上げをしなければいけないだろうと思っていたら「しなかった」というのが、理由のすべてでした。
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