公道を走る「カート」の法的位置づけは? 「マリオ」などのコスプレで運転する人も
車道をスイスイ進んで行くカートの群れ。まるで本物の「マリオカート」を見ているようだが、このような光景を東京都内の路上で見かけることがある。ゲームキャラクターのコスプレをしていることも多く、楽しそうに走っている。
サービスを展開している「マリカー」のサイトによると、普通運転免許(オートマ可)があれば誰でも運転ができるそうだ。アクションカメラなど、より楽しさを増すようなオプションもついている。
ただ、このカートは街中を走っていると、他の車と比べて、明らかに違和感があるが、道路交通法上はどのような位置付けなのか。和氣良浩弁護士に聞いた。
法律上は「原動機付自転車」であり「自動車」でもある
「今回のようなカートをはじめ、公道を走行しているレーシングカート(いわゆるミニカー)に違和感を感じるのは、ミニカーを『原動機付自転車』と『自動車』のいずれかに区分して見てしまうからでしょう」
和氣弁護士はこのように指摘する。その区分にはどんな意味があるのか。
「たとえば、『自動車』であれば、座席ベルトの着用義務がありますし、『原動機付自転車』であれば、交差点における二段階右折義務やヘルメットの着用義務がありますが、ミニカーにはこれらの義務がありません。
その理由は、ミニカーは道路交通法上は『自動車』に、道路運送車両法上は『原動機付自転車』に位置づけられるからです(総排気量、定格出力、車室の有無、輪距など、各法令の規定を満たしていることを前提とします)。
上の例で言えば、ミニカーは、道路交通法上の『原動機付自転車』ではないので、交差点における二段階右折義務やヘルメットの着用義務はありません。一方で、道路運送車両法上では『原動機付自転車』に定義されるため、座席ベルトの設置義務がありません。