不登校が治る「コンプリメント」とは何なのか この本は20代の自分に読ませたかった
しかし、この本を読めば、そんな窮屈さからも自由になれる。子育てとは、子どもの心のコップに自信の水を入れ、子どもをあるべき姿に成長させることなのだということが腑に落ちるのだ。世間的な「いい子」の基準は無数にあるが、叱ったり褒めたりして、そこに導くことが子育てではない。子どもの人生は子ども自身の物なのだ。
コンプリメントとは、子どもの「良さ」をみつけて、「~の力があるね」とか、「私はうれしい」という愛情こもった承認を与え続けることだという。叱るのも褒めるのも枝葉末節で、コンプリメントこそが幹なのだ。自信の水が満ちていれば、子供は自ら価値を選んで、自由に枝葉を伸ばしていくのである。
子育ても、とにかく実践するしかない
学校で教えてくれないものは山ほどある。その多くは、社会に出て実践の中で学んでいく。子育ても、とにかく実践するしかない。就職を控えた学生と同様に、結婚を控えた若者も漠然とした不安を抱えている。育った環境が違う二人で手探りで子育てをすることを考えると、社会で生きる術を身につけるよりむしろ、その難易度は高いとさえ言える。
私は、いつか「子育てできるという自信」が身につくものと信じ、ずるずると20代を過ごした。保育園の問題や、経済的な問題ばかりではない。親となる心の準備がなかなかできなかった。本書の「自信の水」という考え方は、その準備に役立つばかりか「不安そのもの」への理解を深める。そしてそれは、確実に人生行路の武器になる。20代の私に、ぜひ読ませたいと思った。
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