4度目の社労士試験に向けてスタート あなたにも出来る!社労士合格体験記(第71回)
厚生年金基金とは
ところで、かつて私の勤めていた会社も厚生年金基金に加入していました。厚生年金基金制度は企業年金の一種で、高度成長期の昭和40年に創設され、昭和41年から施行されました。
サラリーマンの公的年金は原則2階建て年金で、基礎年金(国民年金)部分の1階と、厚生年金部分の2階で構成されています。しかし、従業員の老後の生活の安定と福祉の向上を図るため、3階部分に公的年金の上乗せとして設けられているのが企業年金です。
厚生年金基金の特徴は、公的年金である厚生年金の一部を国に代わって支給する代行部分と、それに上乗せする企業年金を一体で運用している点です。高度成長期はこの制度がうまく機能していましたが、バブル崩壊後は運用難で積み立て不足が露呈し、企業の大きな負担になっています。
特に問題なのは、国から預かる代行部分も不足する代行割れ基金が増加していることです。既に、多くの大企業はこの代行部分を返上、厚生年金基金を解散し、確定給付企業年金や確定拠出年金に移行しています。
しかし、中小企業が共同設立した基金は代行返上のための原資が乏しく、解散したくても解散できない状況に陥っています。昨年、社会問題となったAIJ投資顧問の事件は、このような状況を背景に、運用で一発逆転を狙った企業の弱点をついたものでした。
試験対策は対比して覚えること
試験対策としては、適用事業所の設立要件と解散要件を、健康保険法の健康保険組合の場合と対比して覚えておきましょう。
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