レシピ動画デリッシュキッチン快進撃の理由 運用7カ月で120超の広告記事を獲得
2016年は動画の年、とりわけソーシャルプラットフォームを席巻したのがレシピ動画だった。日本では急成長の「テイスティジャパン」を筆頭に、ハイセンスな「テイストメイドジャパン」、米国では俯瞰撮影からの差別化をはかる「クッキングパンダ」が注目を集めている。
複雑化する分散型モデル、激化する競争のなかで、日本生まれのレシピ動画メディア「デリッシュキッチン(DELISH KITCHEN)」が立ち上げからわずか7カ月で、約120ものブランデッドコンテンツを掲載している。並みいる競合のなかで、いち早くマネタイズにはずみをつけている理由は、とことんユーザー目線でつくられるコンテンツが、ユーザーへのリーチから広告獲得までの好循環を生み出しているからだ。
たとえば、人気レシピのひとつである「フライパンでできる! 揚げないチキン南蛮」。Facebookページでの再生数は146万回、いいね!は2万5000を超える。材料やレシピもテキストで掲載し、寄せられたコメントにも丁寧に返答。ユーザーとの距離の近さを感じる。
ベンチマークは視聴完了率
ほかのレシピ動画についても数字は好調に見えるが、デリッシュキッチンを運営する株式会社エブリー代表取締役 吉田大成氏は、「単発で再生回数の大ヒットを狙ってはいない。安定してファンの方に見てもらえるコンテンツを意識して作っている」という。そのため、制作においてはユーザーが動画を見て実際に作ってくれるのかにもっとも焦点を合わせている。「その意味で重要視しているのが視聴完了率。最初の5秒で脱落が多いと言われる動画の世界で、どうやったら最後まで見切ってくれるのかをとことん考える」。最後まで見てもらえれば、実際に作ってもらえる率も高まるからだ。