レシピ動画デリッシュキッチン快進撃の理由 運用7カ月で120超の広告記事を獲得

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エブリーは、この6月に6.6億円の資金調達をしたことでも話題になった。その投資家のひとりで、雑誌『Forbes』のベンチャー投資家ランキングにて7位に選出されたグロービス・キャピタル・マネジメント プリンシパルの東明宏氏は、「コンテンツへのこだわり・質が収益を生む」と確信したという。

いまのデジタルメディアが陥っている負のスパイラルには「ロイヤルユーザー離れ」があると吉田氏は指摘する。「過度な売り上げや利益を追う限り、多少コンセプトからずれても話題性やSEOの駆使でPVを増やすか、もしくは記事の制作単価を極限まで下げざるを得ない。どちらも、ロイヤルユーザーが離れ、結局はその場しのぎのコンテンツづくりを続けていくことになってしまう」。

勝利の方程式

元グリー取締役として、「釣り☆スタ」を超人気ゲームに育て上げた一方で、テレビや雑誌、漫画、書籍など無類のコンテンツ好きでもあった吉田氏。動画の世界でも、多くの人が集まるプラットフォーム上に質の高いコンテンツを持ち込めば勝機があると考えたという。現在のところ、そのコンテンツビジネスは、SNSプラットフォームをうまく使うことで、コンテンツの質と収益性という相反しやすい要素をどちらも高めることができている。

その先に吉田氏が見据えるのは、広告以外の収益だ。「分散型メディアのみならず自社メディアへの拡大も考えている。自社メディアだからこそできる機能をユーザーに提供することで、さらに使ってもらえるものにしていく。そのうえでNYT Cookingのようなリアルビジネスへの参入も選択肢のひとつだと思っている」と話す。

デジタルメディアでは、広告以外の成長戦略をいかに描くかで、編集やクリエイティブの独立性、サービスの質を担保し続けられる。勝利の方程式は、さらなる進化をとげられるのか。その答えは、移り気なユーザーがデリッシュキッチンとの長い蜜月を、今後も過ごせるのかどうかにかかっている。

(文・矢野貴久子、写真・ Courtesy of DELISH KITCHEN.)

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DIGIDAY[日本版]編集部

2015年9月1日にローンチした「DIGIDAY[日本版]」を運営。同サイトでは米「DIGIDAY」が日々配信する最新のデジタルマーケティング情報をいち早く翻訳して掲載するほか、日本国内の動向についてもオリジナル記事を配信している。メディアジーンが運営

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