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キャリア・教育 #「若き老害」常見陽平が行く サラリーマン今さら解体新書

時給1000円超時代のバイトに求められる役割 新卒採用への活用は世の中を変えうる

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  • 常見 陽平 千葉商科大学 准教授、働き方評論家
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塾講師と飲食が稼げるようです

平賀:はい。でも時給自体は高いです。1500円くらいですかね。

常見:飲食も上がっていますね。

平賀:インテリジェンスさんの調べによると、9月の平均時給が1000円を超えたというニュースがありました。もはや「時給4桁時代」です。

常見:家庭教師などもやはり高いのでしょうか?

平賀:高いですが、実はその領域はプロ化が進んでいるのですね。今は学生の家庭教師等に来てもらっても、問題が解けなかったりすると、ため息をつくらしいんですよ。

常見:おお! でもプロの人は、学力や学習姿勢に問題がある人の対応もうまいし、モチベーションの上げ方もうまい、と。

平賀:それが抜群にうまいんですよね。プロ講師ということで、しっかり稼いでいらっしゃるミドル層の方とかいますよね。講師のレベルによって明確に金額が違っていますし。

逆に正社員に置き換わっている領域もある

常見:今、大事な論点が出たと思います。もともと非正規雇用に関しては、正社員が担当していた仕事を単価が安いという理由で置き換えていった流れがありますよね。わかりやすいのがサービス業です。一方、逆に正社員に置き換わっている領域もある、と。人材の確保という意味で、正社員化を進める企業もありますし。

平賀:そのあたりが混沌としていますね。

常見:優れた人材マネジメントを行っているアルバイト先はどこですかね?できれば社名を出して欲しいのですが。

平賀:「塚田農場」の「APカンパニー」さんですね。

常見:テスト期間は他店舗から応援を頼むなどシフトへの配慮が手厚いですし、なんとアルバイトしている学生の就職支援までするのですよね。モチベーションが上がる仕掛けもいっぱいだという。

平賀:あと、これはウチのお客さんでもあるのですが、「リゴレット」っていうレストランを展開している「HUGE」さんも。グローバルダイニングから独立した方たちが起ち上げ、現在15店舗くらいあります。「店舗主義」というものをすごく徹底していて、メニューもお店で決めてよくて。ロゴもお店によって違うんですよ。店長に権限を与えていて、ファミリーっぽい職場になっているんですよね。

お給料を決める時とかも、「僕の時給はいくらでお願いします」って自分で自己申告して、周りの人が「君はいくらがいいんじゃないの」とか。あとは鳥貴族さんですね。ここはバディ・システムというのを導入しています。先輩が新人の見守り役となる仕組みで、アルバイトのケアに熱心です。

「フリーター」という言葉ができたのが1987年でした

常見:日本のアルバイトのターニングポイントはいつでしたかね?

平賀:ターニングポイントは、まさに30年前、1986年ですよね。

常見:「フリーター」という言葉ができたのが1987年ですよね。当初の定義は、「既成概念を打ち破る新自由人種。敷かれたレールの上をそのまま走ることを拒否し、いつまでも夢を持ち続け、社会を遊泳する究極の仕事人」でした。

平賀:そもそも学生のアルバイトって学生運動絡みのところもあったのです。その活動資金集めみたいな。そこから学生のアルバイトは広まっていった。そして、主婦パート。この二つの文脈だったんです。そこに、第三の文脈としてフリーターという存在が入ってきたという。そういう流れだったのです。

常見:なるほど。

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【フリーターはもともと「生き方」だった】

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