BMW「新型5シリーズ」は何がどう進化したか 先進的な安全・情報装備も一層充実した

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もうひとつ驚かされたのがコネクティビティだ。

「ドライバー・アシスタントとネットワーク化を究極まで推し進めた」という開発者の言葉をさきに紹介したように、新型5シリーズを特徴づけているのが、先進的安全装備の大々的な採用と、スマートフォンなどと連繋したいわゆるコネクティビティの充実ぶりだ。

先進的安全装備は、自動ブレーキなどによる衝突被害防止および軽減にはじまるもの。新型5シリーズでまず注目に値するのは、進化したクルーズコントロール技術だ。

標準の「ダイナミック・クルーズコントロール」は時速30から250kmの範囲で先行車に追従して走行可能。オプションで「アクティブ・クルーズコントロール」も選べる。車速が0から210kmの範囲で作動し、渋滞時には停止するまで減速も行い、前方の車両に合わせて最適な加速制御を行う。しかも直前の車両だけでなく車列内の2台前のクルマの動きもみており、速度調節を早期に、かつソフトに行うことが謳われる。

自動ステアリングホイール操作による危険回避補助も多岐にわたる。車線逸脱防止機能やウィンカー操作による自動車線変更機能に加え、新型5シリーズでは「エバージョンエイド」が採用された。走行中に障害物を緊急で避ける必要が生じた際時速160kmまでならば車両が障害物回避のためのステアリングホイール操作を支援するのだ。自車の周囲の状況はつねにモニターされているため、隣りに走行車両がいる場合は自動ブレーキによる制御のみとなる。

スマートフォンとの連繋によるコネクティビティも強化されている。ひとつは車外から車庫入れを操作できるリモートパーキング。7シリーズだ。混んだ市街地や狭い道ではリモート3Dビュー・テクノロジーによって自車の周辺の状況をモニターで確認していられる。駐車している車両の状況もつねにスマートフォンに画像で転送してくれるのだ。

「BMWコネクテッド」とは

「BMWコネクテッド」は欧州と米国でまず始まるサービスだ。「iPhone、アップル・ウォッチ、アンドロイド系スマートフォンおよびスマートウォッチなど各種デバイスを通じてクルマをユーザーのデジタル・ライフに組み込みます」(プレスリリース)と謳われる。

たとえばナビゲーションを使う際。「目的地の住所や希望到着時間などのデータを車外からBMWコネクテッド経由で入力しておくと、乗車後にiPhoneと接続するとこのデータが転送され、BMWナビゲーション・システムで利用できるようになり、すぐに目的地へ案内が開始されます」(同)とされる。

ストレスなくクルマを日常的に使うためのあらゆる装備を搭載。これが新型5シリーズを「最も成功したビジネス・セダン」とする理由なのだ。最新のプレミアムセダンに求められる要件満載の新型5シリーズ。新しい時代の入り口に立ったモデルというのが、試乗しての感想である。

(文・小川フミオ)

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