生活実感が1987年以来の改善?冗談でしょう 「ミザリー(悲惨)指数」を作り直してみた

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「実感ミザリー指数」は高止まり

実績値を用いた「ミザリー指数」を以下のように変更し、「実感ミザリー指数」を作成した。
(1) CPI総合(前年同月比)を日銀「生活意識に関するアンケート調査」における「現在の物価に対する実感(平均値)」に変更
(2) 完全失業率を内閣府「消費動向調査」における消費者意識指標「雇用環境」で代用
そうすると、「ミザリー指数」と比較して「実感ミザリー指数」は高止まりしていることが分かる。

足元ではインフレ率と完全失業率の実績値が低下し、「ミザリー指数」が低下していることは確かだが、問題は家計がそれを実感できるかどうかである。今回作成した「実感ミザリー指数」が十分に低下するまでは、家計の生活実感は改善されないままの状態が続きそうだ。

末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト

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すえひろ とおる / Toru Suehiro

2009年にみずほ証券に入社し、債券ストラテジストや債券ディーラー、エコノミスト業務に従事。2020年12月に大和証券に移籍、エクイティ調査部所属。マクロ経済指標の計量分析や市場分析、将来予測に関する定量分析に強み。債券と株式の両方で分析経験。民間エコノミスト約40名が参画する経済予測「ESPフォーキャスト調査」で2019年度、2021年度の優秀フォーキャスターに選出。

2007年立教大学理学部卒業。2009年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻修了(理学修士)。2014年一橋大学大学院国際企業戦略研究科金融戦略・経営財務コース修了(MBA)。2023年法政大学大学院経済学研究科経済学専攻博士後期課程修了(経済学博士)。

 

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