「北方領土と沖縄」が日米関係に与える変化 佐藤優が予想するトランプ大統領のスタンス
世界を席巻したトランプ大統領誕生の衝撃
国際社会の秩序が大きく変化しつつあります。2016年11月8日に行われた米国大統領選挙で共和党のドナルド・トランプ候補が民主党のヒラリー・クリントン候補(元国務長官)を破って当選したことは、その最たる例です。
「ビジネスの経験を生かし、米国に貢献したい」とも主張し、内陸部の都市や高速道路などのインフラの整備を誓った。>(2016年11月9日「朝日新聞デジタル)
この結果に日本、EU(欧州連合)、オーストラリアなどはショックを受けています。なぜでしょうか? それはこれらの諸国は、現在の国際秩序が続いたほうが、国益にかなうと考えているからです。
他方、現在の国際秩序が抜本的に変化したほうがいいと考えているロシア、中国、北朝鮮、イランなどはトランプの当選を歓迎しています。
トランプ氏は政治家としての経験がまったくありません。従って、過去の経緯や国際法に関する知識が不可欠である外交について、同氏はこれから猛勉強をするでしょう。一部、極右派の立場に寄り添うような閣僚人事を発表していますが、トランプ氏が大統領に就任する2017年1月20日の後、具体的にどのような外交政策を展開するかについては、本人も現時点では決めていないと思います。しかし、「チェンジ(「変化」)を公約に掲げたオバマ政権よりも、はるかに大きな変化がトランプ大統領の下で起きることは間違いないと思います。
日本との関係では、北方領土と沖縄の2点で変化が起こる可能性があります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら