ホテルマンの必要能力は「おもてなしの心」だ

ホテル会社が採用で求める能力・資質と待遇

「必要な資質は、おもてなしの心、思いやり、人あたりのよさです。これはホテルの現場の接客スタッフだけでなく、すべての社員に求められる資質で、お客様の笑顔と感動を創出することのできる人材が求められます。また、プリンスホテルは各事業所同士の連携も頻繁に行われますので、周囲との協調性とチームワークに取り組む姿勢も重要ですね」と國吉課長。

ほかのホテル会社の求める人材を見ても、「『いつも、ありがとうのいちばん近くに。』という“おもてなしの心”を持っている方」(藤田観光)、「『ホスピタリティ』『バイタリティ』『改善の意識』を持ち、それらを主体的な行動に移せる人」(ミリアルリゾートホテルズ)というように、「おもてなしの心」や「ホスピタリティ」というのが重要なキーワードのひとつとなっている。

稼働率アップには営業セールスが大事

プリンスホテルの売上高は1736億円、営業利益218億円(2016年3月期)と、国内最大手。従業員数は約6000人いる。2016年7月には、赤坂プリンスホテルの跡地に建設した「東京ガーデンテラス紀尾井町」(写真)内に、ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町をオープンさせた (記者撮影)

一方、社員たちのキャリアプランは、どのようになっていくのだろう?

「プリンスホテルの場合、大きく分けると2つの道があります。一つはエリアスタッフ。こちらは1つの地域に密着して、その地域にあるホテルや事業所で働きます。もう一つはナショナルスタッフで、こちらは国内外すべての事業所に異動が可能なスタッフです」(國吉課長)。どちらの道も異動に制限があるかないかの違いだ。しかし、社内にはホテルの現場で長年働き、接客サービスを極める人もいれば、宿泊プランなどの商品を企画したり、宣伝プロモーションや経営戦略に携わる仕事を希望する人もいるという。

「ホテルでのサービスが弊社の主力商品であることは間違いありません。ただ、客室、宴会場、レストラン、会議室など充実した設備があって、優秀なスタッフがいたとしても、その日にお客様に使っていただかないと、売り上げにつながりません。ですから、個人、法人、団体を相手に利用をうながす営業セールス部門のスタッフの仕事も、非常に重要なのです」(國吉課長)。

宿泊客だけでない。個人向けのブライダルはもちろん、企業の株主総会、大学の入学式、卒業式、自治体の成人式といった式典、セレモニーの機会に会場を提供することも、ホテルにとって重要な事業だ。

プリンスホテルと言えば、数千人が収容可能な大会場を有するホテルとして、よく知られている。東京・芝公園にある「ザ・プリンス パークタワー東京」は3600人収容できる会場が2つあり、「びわこ大津プリンスホテル」のコンベンションホール淡海は関西最大規模と言われ、毎年、大津市の成人式が行われる会場となっている。さらに、「グランドプリンスホテル新高輪」の国際館パミールは日本最大級の広さを誇り、2000~3000人を収容できるホールが複数ある。ここでは日本アカデミー賞の授賞式を始め、プロ野球ドラフト会議の会場などにも使われている。こうした設備の稼働率を上げるために、営業セールスの力は当然、欠かせないものとなっている。

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