(第13回)2009年新卒採用総括セミナーレポート(前編)

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●2010年度採用戦略のカギを握るリクルーターの影響力

 リクルーターが学生の志望動機や絞り込み動機の形成に与える影響(インパクト)とはどの程度のものなのか、下記のアンケートをご覧いただきたい。
 事務系学生の80.9%、技術系学生の81.7%が「影響がある」と回答しているとおり、リクルーターから発せられる「生のコミュニケーション」は、企業から発信するツールでも最大級の影響を持つことがわかる。

(リクルーターの影響度)
 しかし、リクルーターの影響力を凌駕するのが面接官の持つインパクトだ。
 こちらは事務系学生の89.8%、技術系学生の84.0%が「影響がある」と回答している。リクルーターが就活中の志望動機や絞り込み動機の形成ツールであるならば、面接官はまさに意思決定ツールと言えそうだ。

(面接官の影響度)
 以上のように、リクルーターと面接官が学生に与える影響度はかなりのインパクトを持つわけだが、それだけに対応のひとつひとつが諸刃の剣になりかねない。(リクルーターにトレーニングが必要だとする理由はここにある)
 企業が重視するしないにかかわらず、リクルーターや面接官の対応の善し悪し、ヤル気や真剣さなどはネットを通じて一夜にして知れ渡るご時世である。ならば、その情報の流れをつかんで、利用するのも戦略だ。時代は、待つだけで来てくれる学生だけを母集団にして選考を進めても、トータルな人材の質は上がらなくなっている。
 鍛えられたリクルーターが採用シーズンを通じて、今まで会えなかった層の学生に接点を持ち、仕掛け、自ら採用ツールとしての役割を認識し、長期間の採用ブランド形成に取り組んでいるのは、メガバンクなどの人気企業だ。

 かつて「人の魅力で採るのは中堅・中小企業」の十八番だった。しかし、今、制空権を持った大手企業が地上戦にまで鍛えられたリクルーターを投入してきている。学生が大手企業を好む傾向、すなわち大手志向とは半分以上はリクルーターが作り出した採用ブランドなのだといえる。データからは中堅・中小企業の多くがリクルーターの活用で後手に回っている様子が伺えるが、それでは大手に対抗できるわけは無い。逆に、大手に勝てるヒントもリクルーターの活用法に隠されていると言えるだろう。

 後編は、第二部のレポートをお送りします。
  ●第二部 「みんなの就職 採用振り返り報告」
  楽天株式会社 人材事業ビジネスユニット副事業長 矢下茂雄
採用プロドットコム株式会社
(本社:東京千代田区、代表取締役:寺澤康介)
採用担当者のための専門サイト「採用プロ.com」を運営。新卒、中途、派遣、アルバイトなどの採用活動に役立つニュース、情報、ノウハウを提供している。

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