都内を北へ南へ「環七」を走る急行バスの実力 鉄道計画の期待を乗せた縦貫ルート

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■「シャトル☆セブン」のルート
【京成バス 環07急行】
小岩駅(総武線)→一之江駅(都営新宿線)→葛西駅(東京メトロ東西線)→葛西臨海公園駅(京葉線)→東京ディズニーリゾート
【京成バス 環08急行】
亀有駅(常磐線)→一之江駅(都営新宿線)→葛西駅(東京メトロ東西線)→葛西臨海公園駅(京葉線)→東京ディズニーリゾート

 

シャトル☆セブンの路線図

シャトル☆セブンとは文字通り、環七通り(都道318号線)の東京都東側エリアを南北に縦貫する急行バスの名称だ。亀有駅(常磐線)・小岩駅(総武線)~葛西臨海公園駅(京葉線)まで環七沿いをひた走り、さらに足を伸ばして舞浜方面までを結んでいる。江戸川区地域公共交通活性化協議会から委託を受け、2007年に実証実験を実施、2009年には京成バス江戸川営業所による本格運行を開始した。

路線図を見ると、しっかりと鉄道駅同士を結ぶタテ移動を補完している様子が想像できる。実際にこのバスに乗ってみたくなり、常磐線緩行で亀有駅へと向かった。

亀有駅南口に出ると、マンガ「こち亀」のカラフルなキャラクター像が並んで出迎えてくれる。その色彩に負けないピンク色で現れたのが、環七シャトルバス「シャトル☆セブン」だ。車体横に大きく「7」の文字、前面のグリル部分にも「7」のエンブレム。遠くからでも一目でそれと認識できる専用車両だ。車内のシートにも「Shuttle☆Seven」とオリジナルのデザインが施されており、かなり期待の込められた存在であることが窺える。

料金の支払い方にちょっと戸惑う

シャトル☆セブンの運賃箱に掲示された運賃表(筆者撮影)

料金の支払い方は独特だ。一般的には乗り込んですぐPASMOをタッチして前払いしたり乗車バス停の証を記録したりするが、シャトル☆セブンでは運転士がPASMOをタッチするボードをしっかりと手で塞いでいる。

「どちらまでですか?」と行先を聞かれ戸惑う。行先を決めていなかったし、いつも使うバスではないので停留所名がパッと浮かばない。運賃箱の表を見ると「乗務員に行先をお知らせください」とある。区間によって料金が異なるため行先は事前申告制となっているのだ。

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