都内を北へ南へ「環七」を走る急行バスの実力 鉄道計画の期待を乗せた縦貫ルート

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シャトル☆セブンのバス(筆者撮影)

とりあえず、亀有駅→葛西臨海公園駅の区間に乗車する旨を伝え、Suicaで206円分を支払って乗車を済ませた。

筆者以外の乗客はほぼ全員、スムーズに降りるバス停を告げて乗車していく。地域の人たちにはかなり浸透しているようだ。バスは丁寧に接続する鉄道駅と路線の案内をしながら、約50分かけて葛西臨海公園駅に到着した。舞浜方面へ引き続き乗車する人も割と多かった。

江戸川区によるとシャトル☆セブンの乗車人数は堅調に上昇しており、2016年11月、利用者が1500万人を突破した。シャトル☆セブンが好調な理由として、同区は「TDR(東京ディズニーリゾート)をはじめとするレジャー需要、通勤通学需要などで利用が順調に伸びており、小岩・亀有方面から葛西臨海公園・TDRへの交通手段として広く認知されてきているほか、南北間の鉄道路線を結ぶ手段としても定着しつつあると考えられる」としている。

この環七を縦貫するバスルート、そもそもは鉄道を敷設する計画が元になっていたことを知った。赤羽駅~葛西臨海公園駅を結び、主に環状七号線(都道318号)沿いを利用した環状鉄道計画である「メトロセブン構想」と、さらに環八沿いをまで結ぶ構想の「エイトライナー」と繋げ「区部周辺部環状公共交通」として実現をめざす動きがあるのだ。

利用の動向をバスで見極める

メトロセブン+エイトライナー構想の路線図

 

区部周辺部環状公共交通(メトロセブン+エイトライナー構想)は2000年1月、国の運輸政策審議会答申第18号で「今後整備について検討すべき路線」に含まれ、2016年4月の交通政策審議会答申でも「地域の成長に応じた鉄道ネットワークの充実に資するプロジェクト」に位置づけられた。

 

しかし、事業性に課題が残るとして「需要等も見極めつつ中量軌道等の導入や整備効果の高い区間の優先整備など整備方策について、検討が行われることを期待」と答申には記載されている。つまり鉄道の整備にはお金がかかるため、継続的に儲かるかどうか、現状のバスの利用動向を慎重に見極めている状況といえる。

もしこの計画通り鉄道が整備されれば、30路線以上との接続ができ、都内移動の利便性は格段にアップする。今後に注目だ。

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