その結果によると、
・80%以上の中学生がネイティブアド(編集記事風の広告)と普通の編集記事との区別がつかない
・「福島で被ばくして奇形になった花」などといった写真を示された場合、ほとんどの高校生が何の根拠もないまま信じる
・ほとんどのスタンフォードの学生が、ニュースソースが主要メディアのものか、そうでないものか見分けがつかない
デジタルネイティブはリテラシーが高いのかと思えば実はそうではないというショッキングな内容だ。
なぜウソのニュースを信じてしまうのか
若い人に限った問題ではもちろんない。米国のウェブニュースサイトであるバズフィードの調べでは、選挙戦終盤には、フェイスブック上でシェアされたり、コメントされたりする数は「インチキニュース」が「本物のニュース」を上回った。また、さまざまなインチキニュースの見出しを見せて行った調査によると、6~8割の人が「正確だ」と答えたという。
そもそもなぜ、ウソのニュースを信じてしまうのか。その一つの理由に確証バイアスという現象がある。人は自分に都合のいい情報や自分の信念に沿う情報だけを集めて、それによって先入観を補強する一方で、反対の情報は無視するというものだ。
さらに、インターネットの普及がその「つまみ食い」傾向を助長している。日本ではニュースキュレーションサイトやメディアのサイトから、ニュースを入手する人が多いが、アメリカでは検索もしくはソーシャル経由が多い。個人の嗜好や信条などに合わせてニュースがフィードされることから、自分の考えに合ったニュースばかりに接触することになりがちだ。
今回の選挙でも、多くの有権者が自分の考えに近いニュース、情報ばかりを取捨選択するという「フィルター」のかかった「バブル(シャボン玉)」の中だけで、情報を消費する「フィルターバブル」状態に陥ってしまった。
また、ソーシャルメディアなどでシェアされる情報については、ニュースソースが何かまで十分にチェックしなかったり、知り合いや友人などによってシェアされる情報などは、その「お墨付き効果」「口コミ効果」だけで、内容を信じてしまうこともあるだろう。ソーシャルメディアという横展開メディアにおいては、さまざまなレイヤーを超えて情報が流通するうちに、伝言ゲームのように尾ひれはひれが付いたり、ニュースソースがぼやけてしまうことがある。
もしくは例えばヤフーニュースなどの一定の信頼があるアグリゲーションサイトに掲載されていれば、それだけで信用できると思ってしまうかもしれない。
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