ジャニーズファンクラブ規約の問題点とは 消費者保護の観点から、全面的に見直しへ
また、形式的な変更や、利用者に特に不利益にならないような変更については、比較的ゆるやかに変更が認められることもあります。
あらゆる規約の変更について、変更した瞬間に当然に利用者を拘束するような規約は、消費者契約法に照らして、問題が大きいといわざるをえません」(上田弁護士)
不当な条項でも罰則がない
ほかには、どこが問題だったのだろうか。
「事情を問わず、およそ消費者からの損害賠償請求を一切認めないところです。専門的には、『全部免責条項』と呼ばれます。
本来であれば、民法などにもとづいて、損害賠償請求が認められるようなケースであるにもかかわらず、この免責条項があるだけで、事業者が免責されるのはあまりにも不当なので、消費者契約法で『無効』とされています。今回の規約も違反していると思います。
また、支払済みの年会費の不返還については、キャンセル料が高すぎる場合に高すぎる部分を無効とする消費者契約法の規定に違反している可能性があります。
具体的には、ファンが退会した場合に、ジャニーズ事務所側に発生する損害はどの程度のものかが精査されなければなりません。損害が認められないということであれば、その部分は返還されるべきとなります」(上田弁護士)
消費契約法には罰則はないのだろうか。
「消費者契約法では、契約に不当な内容の契約条項があれば、契約書や規約ではっきりと定められていたとしても、民事上『無効』とされる場合があるとされています。
一方で、消費者契約法に違反するような不当な条項を事業者が使っていたとしても、罰則があるわけではありませんので、不当な契約条項を堂々と使っている事業者がいます。
今回、消費者団体が指摘した規約は、いずれも消費者契約法に違反し、または違反している可能性があります。ジャニーズ側は、消費者契約法はもちろん、ファンの気持ちも考えた誠実な対応をしてほしいと思います」(上田弁護士)
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