1枚50万円!ライブチケット転売の異常 フリマサイトでの高騰が止まらない
生の迫力や会場の一体感……音楽ライブには、多くの人に大枚を投じさせる魅力がある。とはいっても、ものには限度というものがあるのではないか。
8月23日付の全国紙朝刊に、こんな全面広告が載った。
「私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します」
広告を出したのは、一般社団法人「日本音楽制作者連盟」(音制連)ほか業界3団体、116組のアーティストと24の音楽フェスだ。「高額転売」とは「ダフ屋行為」だが、彼らがノーを突きつける相手がいるのはライブ当日の会場周辺ではなく、ウェブサイト。音制連の野村達矢理事は語気を強めてこう言う。
「この1年で状況が急変した」
フリマ方式で急成長
業界団体は、デジタル化とITの進展で、CDなどを売る「複製ビジネス」の縮小を余儀なくされてきた。ライブもそうなってしまうのでは──という危機感を持っている。
ウェブでのチケット転売をめぐる環境は大きく変わっている。従来はオークション型。入札から落札まで数日かかったり、落札できなかったりしたが、現在は多くの転売サイトが「フリーマーケット型」を採用する。出品者が「指し値」で価格を決め、買い手が合意すれば売買成立。スピーディーなユーザー体験で、転売市場の主役になった。