10位は私立の文教大学が入っている。同大学は教員養成に定評がある大学で、教員就職者だけに絞ると全国4位と多く、私立大ではトップの実績となっている。それが結果として公務員就職者が多いことにつながっている。
また、教員に限らず国立大が公務員に強いことについて、ある私立大のキャリアセンター職員は「やはり、センター試験を経て、入学しているのが大きい。3教科の入試で入学できる私立大とは異なり、広く学んできている分、採用試験に強いのではないでしょうか」と分析する。
国家公務員を多数送り出しているといえば、東京大学が頭に浮かぶが、24位にとどまっている。公務員の内訳は公表されていないが、キャリアになる国家公務員総合職での就職者が多いことは間違いない。省庁への就職者だけでも222人に上り、全大学でトップの数字だ。内訳を見ても、総務省27人、国土交通省26人、経済産業省23人、農林水産省17人、厚生労働省16人、外務省と文部科学省がともに15人などとなっており、やはり省庁に強い。
センター試験経た国立大生は公務員試験にも強い?
昨年の国家公務員総合職試験合格者数を見ると、トップは当然、東京大で459人。ここから省庁へ就職していくということだ。2番目は京都大学の151人、3番目は早稲田大学の148人の順だ。総合職試験2位の京都大学の公務員就職者数は150人で90位、そのうち国家公務員は78人だった。
一般職試験では、トップは早稲田大学の318人、2番目が中央大学の213人、3番目が立命館大学の196人だった。
表中、公務員実就職率トップは98位の兵庫教育大学の89.7%。就職者のほぼ9割が公務員ということになる。2番目が66.9%の愛知教育大学、3番目が70位の宮城教育大学の60.6%と続く。国立の教育大学が強いのが特徴だ。さらに兵庫教育大学、宮城教育大学とも公務員就職者は、すべて地方公務員だった。
私立大学では122位の桜花学園大学が実就職率54.9%と表中でトップ、次いで153位の日本文化大学が同46.2%と続く。同大学は法学部の単科大で規模は小さいが、警察官の就職に強い大学として知られる。今年は警察官に57人が就職し、就職者の38%を占めるほどだ。警察官は都道府県内での勤務になるため人気が高く、国立大をはじめ多くの大学から就職している。
女子大トップは37位の武庫川女子大学の298人。次いで46位の京都女子大学、48位の聖徳大学、49位の東京家政大学、88位の椙山女学園大学、安田女子大学と続く。教員を中心に公務員が多くなっている。
地元志向が強い今の学生にとって、これからどうなるか分からない社会情勢の中では、安定性抜群の公務員の人気は高い。各大学とも対策講座を設け、公務員希望者の学生へのサポートを強めている。人気はまだまだ続きそうだ。
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