個人型DC、金融機関を比較する上での「盲点」 手数料より、もっと大事なものがある
しかし、信託報酬は運用商品ごとに多種多様で、パーセント表示で直観的にイメージし難いこともあり、個人型DCの金融機関の選定に際し、信託報酬について解説しているマネー雑誌やFPはごく少数派である。
逆に言えば、信託報酬の重要性についてきちんと言及してくれるかどうかが、専門家として信頼できるかどうかの判断の分かれ目になる。
ラインナップやサポート体制にも要注意
(3)商品ラインナップやサポート体制も視野に
個人型DCにおける金融機関の選び方のポイントとしては、手数料水準に加えて、「商品ラインアップ」や「サポート体制」についても指摘しておきたい。
個人型DCでは、金融機関が選定・提示する運用商品の中から加入者が自ら選択する必要がある。しかし、取り扱っている運用商品の本数が少なかったり、あるいは似たタイプの運用商品ばかりだったりすると、個々の加入者のニーズを満たせなくなる。金融機関がどのような運用商品のラインアップを揃えているかは、量(商品の本数)だけではなく質(運用商品のリターン・リスク特性、信託報酬の水準など)をみることも重要である。
また、個人型DCのマーケットが拡大・成熟化するに連れて、金融機関の店舗やコールセンター等でのサポート体制もいずれは重要なポイントになる。インターネットでの直販が主体のはずのネット証券やネット生保でも、顧客基盤の拡大とともに、リアルの店舗を設けたり、代理店での販売に乗り出すなど、「対面販売」を強化する動きが見られる。DCのような自己責任での長期資産運用が求められる制度ならば、なおさらのこと、運用の見直しが必要になる。専門家へ相談したくなる局面が出てくるはずであり、窓口体制のことも考慮にいれるべきだろう。
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