実は57万人もいる「401k難民」とは何なのか 「個人型DC」を正確に知るための基礎知識
来年(2017年)1月から、現役世代の大多数が個人型確定拠出年金(以降「個人型DC」という)に加入できるようになる。個人型DCの制度概要については、本年5月に確定拠出年金法の改正案が可決され、より、マスメディアでも数多く取り上げられている。
どう改正されたのか
主な改正内容としては、
(1) 中小企業への企業年金の普及・拡大
(2) ライフコースの多様化への対応
(3) 資産運用の改善
の3つに大きく分けることができる。中でも最も注目されているのが、(2)の施策の一環として実施される「個人型DCの加入対象の拡大」である。
個人型DCは、老後資産形成を目的としているため、手厚い税制優遇措置を有するのが最大の特徴。個人型DCは、現時点でも約3700万人が利用できる制度であるが、2017年1月からは6000万人以上の人が対象となる。
現時点でも多くの人が利用できるのにもかかわらず、個人型DCの加入率は1%にも満たない。本稿(前編)では、DC制度の狭間で発生している、いわゆる「401k難民」の現状について解説する。これを知ることが、DC制度の問題点を把握することに繋がるからだ。後編では、取扱金融機関を選ぶ際のポイントについて解説する。
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