独自調査、痴漢検挙の82%が鉄道内だった! 情報開示でわかった車内・駅での被害実態

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警視庁がこの3年間に検挙した痴漢行為の多くは電車内や駅構内で発生していた(写真:Graphs / PIXTA)

2015年までの3年間(2013~2015年)に警視庁が検挙した痴漢行為のうち、約82%にあたる3079件が列車内と駅構内で発生していたことが、筆者の請求に応じて同庁が開示した痴漢や盗撮などの集計データから判明した。

盗撮も列車内と駅構内で3年間に1141件発生し、盗撮全体の59%を占めていた。路上と比べて痴漢は約9倍、盗撮は約18倍の多さで、とくに女性にとっては、いまも鉄道が危険地帯となっているのが現状だ。

開示されたのは、東京都の迷惑防止条例のうち、公共の場所での痴漢(身体に触れる行為、5条1項1号)、盗撮(同2号)、卑わいな言動(同3号)の場所別集計。電車、駅構内、路上、店舗内など11種類の発生場所ごとに、検挙数と被疑者数が年別に記されている。

検挙数最多は電車内での痴漢

このデータの特徴は分類が細かい点だ。発生場所は上記の「電車」「駅構内」「路上」「店舗内」以外に、「バス」「映画館」「公衆便所」「公衆浴場」「更衣室」「その他公衆が通常衣服の全部もしくは一部を着けない状態でいる場所」「その他」の計11種類がある。痴漢行為の種類についても、「さわり・撫で」「陰部押しつけ(露出あり・なし)」「臀部つかむ・揉む」「胸つかむ・揉む」と詳細だ。

迷惑防止条例違反となる痴漢、盗撮、卑わいな言動の3つと、11種類の発生場所から33通りの被害パターンを作成したところ、もっとも検挙数が多かったのが電車内での痴漢(2906件)だった。

電車内での痴漢は、すべての組み合わせの検挙数5859件のほぼ半数(49.6%)を占め、次に多かった駅構内での盗撮(829件)より3.5倍も多い。痴漢冤罪に巻き込まれる可能性も考慮すると、通勤通学で日常的に鉄道を使っている人は、日常的にこれらの被害に遭いかねない危険にさらされているといえる。

次ページ検挙数の6割は電車内での痴漢と駅構内での盗撮
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