初公開、これが「ホーム転落事故」の多い駅だ

池袋、天神、本川越、梅田、阿部野橋の共通点

視覚障害者にとって駅のホームは思わぬ危険が潜んでいる(写真:komaer/PIXTA)

視覚障害者の駅ホームからの転落事故や列車との接触事故が相次いでいる。再発防止策として鉄道各社はホームドアの設置を急ぐが、列車によってドア位置が違う、ホームの改修が必要といった理由から、なかなか設置が進まない。国土交通省によれば、2010~2014年度の5年間に発生した駅ホームからの転落事故と車両接触事故の合計は1万7251件。うち389件が視覚障害者による事故だ。

そんな中、視覚障害者団体の一つ、全日本視覚障害者協議会まちづくり委員会が発生日時や発生場所などの詳細データを公表した。国土交通省が発表した389件に独自調査で判明した3件を付け加えた計392件の事故を対象としている。

上位に並ぶのは「頭端式ホーム」

この392件を分析してみたところ、事故がもっとも多く発生しているのは西武鉄道・池袋駅と西日本鉄道・西鉄福岡(天神)駅の各7件だった。次いで西武・本川越駅の5件、近畿日本鉄道・大阪阿部野橋駅、阪神電鉄・梅田駅、高速神戸駅の各4件という結果になった。

これら6駅の駅構造を見ると、ある特徴が浮かび上がる。高速神戸駅を除く5駅が始発・終着駅ということだ。しかもその5駅には共通点がある。始発・終着駅には東京駅のように線路が前後の駅とつながっている駅もあるが、この5駅のホーム形状は「頭端(とうたん)式ホーム」または「櫛形ホーム」と呼ばれる、線路の行き止まり(終端)で複数のホームがつながっているタイプなのだ。

頭端式ホームは改札を抜けるとそのまますべてホームに行くことができる。階段の設置が必要ないため、バリアフリーに適した構造といえる。だが、全日本視覚障害者協議会まちづくり委員会の山城完治代表は、「頭端式ホームは視覚障害者には歩きづらい」と指摘する。「普通のホームと比べ、人の流れがつかめない。自分が何番線のホームに向かっているのかわからず、迷ってしまう」というのだ。

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