ホーム転落事故は「駅員増員」だけで防げるか 安全施設も普及進むが、利用者の協力も必要
ホームからの転落事故や接触事故は、年々増える傾向にある。国土交通省によると、2014年度に起きたホームからの転落、接触事故の件数は227件。2004年度は118件だったため、この10年で100件以上も増えたことになる。8月15日には、東京メトロ銀座線の青山一丁目駅で、盲導犬を連れた視覚障害者の男性がホームから転落、電車にはねられて亡くなるという事故が発生した。
ホームでの事故が増えた理由として、合理化や人員削減により「ホームの駅員が減ったから」ということがよく指摘される。だが、それは本当なのだろうか――。
駅員配置でホームは安全になるか
確かにホームに駅員の姿を見かけることは昔に比べて減ったように思えるが、実際に駅員は減っているのだろうか。たとえばJR東日本は、駅員が終日ホームにいる駅の数については「列車の運行状況によって、ホーム係員の配置状況も異なるため、一概に何駅とは申し上げられません」と説明しており、具体的に駅員が終日いる駅がどの程度あるかは公式には明らかにしていない。
だが、銀座線の駅で今回起きた事故ではホームに駅員がおり、アナウンスで注意を呼びかけたものの、それでも転落を防ぐことはできなかった。ホームに設置した視覚障害者誘導用の点字ブロック上に柱があり、ホームの幅が狭くなっていたことが指摘されている。
ただ、鉄道会社側も対策を怠っていたわけではない。最近では駅員とは別に警備員がホームに配置されている駅も多く見かけるようになった。また、さまざまな転落事故防止の設備も以前に比べて普及してきている。
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