「九段下駅ベビーカー事故」はなぜ起きたのか 車掌が目視での安全確認を怠った!
4月4日午後3時01分、東京メトロ半蔵門線九段下駅で、中央林間から押上に向かう10両編成の列車が、ベビーカーをドアに挟んだまま発車させるというトラブルがあった。ベビーカーには子供が乗っておらず、被害はベビーカーの破損だけというのは、不幸中の幸いだった。
東京メトロによると、まず6両目の車両に女性1人と子供2人が乗車、続いて誰も乗っていないベビーカーを押した男性が乗車しようとしたところドアが閉まり、ベビーカーがドアに挟まってしまった。
この日で単独乗務が19日目という20代の女性車掌は、ベビーカーが挟まっていることに気づかずに列車を発車させた。列車はベビーカーを挟んだまま約100メートル走行し、ホーム前方の端にあるさくに衝突、破損した。
1.5cm以下の異物は検知されず
このトラブルを防ぐことはできなかったのか――。
最初の疑問は、ベビーカーを押した男性は駆け込み乗車だったのかという点だ。駆け込み乗車を防ぐことは難しい。階段を走って降りて駆け込み乗車したら、衣服や荷物が挟まれたという経験のある人は少なくないだろう。ただ、6両目の乗車位置は階段付近というわけではない。「駆け込み乗車ではなかった」と東京メトロは言う。
続いての疑問はベビーカーが挟まれたことになぜ気づかなかったかという点だ。
ドアは異物がはさまれると、ドアが閉ったことを示すランプが消えず、車掌は発車の合図をしてはいけない。しかし、1.5センチメートル以下の異物の場合は、挟まっても検知されずランプが消える設定になっている。今回挟まれたのはベビーカーの前方の車輪を支える細い棒のため、検知されなかったようだ。このためベビーカーが挟まれていることが車掌に伝わらず、車掌は発車の合図をした。
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