ホーム転落事故は「駅員増員」だけで防げるか

安全施設も普及進むが、利用者の協力も必要

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駅ホームの点字ブロック。内側に突起(内方線)がついている(写真:しーちゃん / PIXTA)

JR東日本はホームの安全対策について、通勤時間帯には係員を増配置するなどの対策を講じているほか、「ホームドア、警告・誘導ブロック、非常停止ボタン(列車非常停止警報装置)、転落検知マット、画像処理式転落検知装置等の各種安全設備を設置しています」という。

「画像処理式転落検知装置」では、ステレオカメラにより線路を立体的に監視し、転落者を検知した場合に列車に停止を指示するようになっている。「転落検知マット」とは、ホーム下に設置したマットで転落者を検知し、列車に停止を指示するというものだ。さらに、駅には非常停止ボタンの設置も進んだ。

国交省の資料によると、転落検知マットや非常停止ボタンの設置率は、ホームへの列車進入速度が概ね60km/h以上、かつ運転本数が1時間あたり概ね12本以上の駅については2014年度に全国で整備率100%を達成している。

監視カメラや鏡も駆使

これらの設備に加えて、駅にはカメラも設置されている。列車の最後部、車掌が乗車している乗務員室から見える場所に、ホームの天井からモニターがぶら下がっていることに気づいている人もいるだろう。車掌はそのモニターで、ドアを閉める際に直接確認できない部分の状況を監視している。

大きな駅では、ホームに駅員が立っており、駅員が見るための監視カメラとモニターもある。これで、車掌がフォローできない部分をカバーし、ホームの安全を守っている。

一方で、安全確保のためには昔ながらのアナログ的な技術も使っている。鏡である。たとえば渋谷駅の山手線ホームでは、鏡を見て駅係員の後方の様子を探りつつ、前方も確認している。もっとすごいのは飯田橋駅の中央・総武緩行線ホームだ。この駅のホームは急カーブ上に位置している。下り線ホームでは、鏡を2枚使い、あわせ鏡にして目視ができないホームの前方を確認している。同駅では監視カメラも併用しており、死角を極力少なくしようという姿勢がうかがえる。

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