独自調査、痴漢検挙の82%が鉄道内だった! 情報開示でわかった車内・駅での被害実態
検挙数100件以上となったその他の組み合わせと比べても、電車内の危険度は際立っている。場所と行為と検挙数を並べると以下のようになる。
2位:駅構内の盗撮… 829件(2.6)
3位:店舗内の盗撮… 488件(1.5)
4位:路上の痴漢…… 355件(1.0)
5位:電車内の盗撮… 312件(1.0)
6位:駅構内の痴漢… 173件(0.5)
7位:店舗内の痴漢… 161件(0.5)
※件数は3年間の検挙数。カッコ内は「4位:路上の痴漢」を1としたときの検挙数の割合。
1位・2位となった電車内の痴漢と駅構内の盗撮だけで、検挙数は計3735件に上り、全体の63.7%を占める。また、発生場所を鉄道関係(電車内・駅構内)とそれ以外に分けると、鉄道関係だけで計4289件に達し、全体の73.2%を占めていた。
路線名・駅名は不明の「詳細データ」
電車内の痴漢で最多だったのは「さわり・撫で」の1719件で、次点となった「陰部押しつけ」の179件より約10倍も多い。「陰部押しつけ」のうち12件は「露出あり」だった。痴漢方法は警視庁が2015年分のデータを入力していないため、2013年と2014年の合計だ。
データ中、盗撮に使われた機材も「スマホ」「二つ折り(ガラケー)」「スライド式」「ビデオカメラ」「ビデオ」「その他」に分けて集計されている。これによると、全体的な使用機材はスマホが圧倒的に多く、駅構内の盗撮に限っても829件中670件(80.1%)がスマホ利用で、デジタルカメラと二つ折り携帯は35件と25件にとどまった。
卑わいな言動は検挙数100件と少ないが、発生場所別で見ると、トップが店舗内30件、次いで電車内28件、3位が路上25件、駅構内17件と続いた。
卑わいな言動の内訳は「文言」「スカートめくり」「その他」の3つと乏しく、路上のスカートめくり以外は「その他」が最多となっており、実際の行為を推測することは難しい。そのためか、警視庁も2015年分のデータは、卑わいな言動の内訳入力を省略している。なお、スカートめくりは路上が12件、駅構内と店舗内が各5件、電車内が4件だった。
警視庁はこのように迷惑防止条例違反の詳細データを作成しているが、路線名などは存在せず、「JR」「私鉄」「都営」という事業者の区分が3つあるだけだ。
このことにより、3年間の合計がJR1566件、私鉄1301件、都営395件だったことはわかる。しかし、鉄道利用者がもっとも知りたい路線名と駅名はまったく不明だ。データのもととなった捜査資料からも隠されていた。
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