日本株はいったん下落する可能性がある 当面の株価のピークは1万8900円まで?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
日本株の先高感は強いが、いったん急落の可能性も(撮影:尾形文繁)

12月5日、安倍首相(第1次政権も含む)の在職日数は1807日に達した。これは中曽根元首相(1982年11月27日~1987年11月6日)を上回り、戦後歴代4位の長期政権となる。一方、在職期間中における日経平均株価をみると、年率換算で中曽根政権は毎年40%近く上昇したのに対し、時代背景も異なるとはいえ、安倍政権は20%台にとどまる。

欧州債務懸念は再燃するか

第2次安倍内閣が誕生してから1年ちょっとが経過した2014年2月、イタリアでは史上最年少の首相(当時39才)が誕生した。それがレンツィ首相だ。しかし、今月、憲法改正の是非を問う国民投票は否決された。結局、改憲派で欧州連合(EU)再建を唱えてきたレンツィ首相は辞意を表明。在職日数は、1000日をわずかにこえた程度になりそうだ。

レンツィ首相の辞意表明にマーケットは特に反応しなかったが、今後、イタリアでは政局混乱や大手銀行の不良債権問題等がやはり懸念される。特に問題視されている伊大手銀行は年内まで必要とされる50億ユーロ(約6100億円)の資本増強が危ぶまれる。足元ではイタリアの金融株は軒並み軟調な動きとなっていることから、ユーロ圏へ信用不安が飛び火するリスクはゼロではない。

こうしたなか、8日には欧州中央銀行(ECB)理事会が開催される。資産購入プログラム(APP)の買い入れ規模は月800億ユーロ(約9兆6000億円)の現行ペースを維持、買い入れ期限も2017年末まで延長する見込みだ。

仮に金融市場で不測の事態が起こった場合、イタリア政府から正式要請がなくても緊急対応するとみられるが、依然として脆弱なユーロ圏経済に目配せが必要だ。一方、可能性は低いがECBのドラギ総裁が金融緩和の出口に関する発言をした場合はユーロ高が進んで、足元のドル独歩高も一服するだろう。

一方の日本株はどうなるだろうか。今週(12月5日以降)に入り、日経平均先物とTOPIX先物では、ロールオーバー(期近物から期先物への乗り換え)が活発化している。9日には先物・オプションの清算が重なる特別清算指数(メジャーSQ)の算出を迎える。足元はトランプラリーで急伸しているだけに、メジャーSQ前に神経質な展開も想定される。

次ページ日経平均の上値のメドは?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事